
金魚飼育に水草は必要か?その疑問に対する答えはそれぞれ金魚に対する考え方で変わってきます。
「水草を食べる」、「水草に隠れる」、「産卵床とする」など水草の存在は金魚にとって意味のあるものです。
しかし、飼育者が金魚と水草の関係をどう考えるかによって水草の有無やおすすめの水草の種類・量は違ってくるものです。
まずは金魚に水草が必要かどうかから考えていきましょう。
金魚飼育に水草は必要か
水槽に金魚だけを数匹入れて飼うことは可能ですので、極論から言えば水草は金魚飼育で必ず必要なものでもありません。
水槽や金魚鉢に水草や置物などレイアウトとなるものを全く入れず、さらには砂利やソイルなどの底床さえも入れない飼育方法であれば、生物濾過は全くと言っていいほど機能しませんが、逆に掃除のし易さという面でメリットがあります。
部屋に何も置かないシンプルな間取りであれば、毎日の掃除も楽になるし、埃も溜まりにくいのと同じようなものです。
ただ、水草の存在が金魚に与える影響を考えてみると水草をレイアウトに取り入れたくなるものでもあります。
金魚が水草に隠れる理由
金魚に限らず、全ての生き物は何かに身を隠すことで自分の身を守り、敵から襲われるというストレスから解放されます。
なにも隠れる場所のない環境では、常に警戒心を解けない為、日常的にストレスに晒されているのです。
特に購入直後の新しい環境や人が常にいるリビングなどでの飼育では、水草などで隠れ家を作ってあげることは金魚に安心感を与える大切な要素となります。
金魚が水草を食べる
金魚は雑食性の強い魚ですので、小型の熱帯魚やメダカなどと比べても水草を食べてしまう(食害)にあうことは多いものです。
金魚藻と呼ばれるカボンバやマツモ、アナカリスなどを入れると次の日にはボロボロにしてしまうなんてことも少なくありません。
このような光景を目にすると「水草を入れてもどうせ・・・」、「汚ならしくなっちゃうし」と思うようになり、水草を入れることに抵抗を覚えてしまうかもしれません。
ただ、水草を金魚の餌の一つと考えれば、植物質の餌を与えられているということになります。
もし、水草を餌としてではなく、鑑賞目的で水槽に入れたいのであれば、金魚に食べられにくい種類の水草を選ぶこともできます。
また金魚の個体差や種類によっても水草を食べやすい種類とほとんど食べない種類があります。
まずは水草を少し入れてみて食べられてしまうかどうか確認してみることも必要となってきます。
金魚におすすめの水草
金魚におすすめの水草を選ぶ時は水草をどのような立場として扱うか、飼育環境にはヒーターを使用しているか、照明を使用しているかなどによって変わってきます。
基本的に照明を設置していない水槽では水草は育たないものと考えてください。
例外として屋外からの太陽光が差し込むような水槽なら水草は育つことができますが、室内の照明だけなら長期育成は難しくなります。
そうなるとそこに入れる水草は短期的に水槽を彩るもので、このような場合にはどの水草を選んでも問題ありません。・・・というか違いがありませんが正解かもしれません。
水草を入れて、少しの間は楽しめますが、数週間くらいで枯れてしまうので次の水草を購入するといった考え方の水草管理となります。
もしそのような管理ではなく、長期的に水草を楽しみたいのであれば水草育成用の照明を設置することをおすすめします。
次に金魚の餌として考えるなら、金魚藻と呼ばれるカボンバやマツモなどがおすすめでしょう。
この場合は水草を育てるというよりも金魚に植物質のエサを用意するようなイメージになりますので、あえて葉が細かく柔らかい物を選ぶようにします。
照明を設置しており、長期的に水草を育てたいのであれば、金魚の食害を受けにくい硬めの葉のものや大きな葉のものを選ぶと良いでしょう。
金魚の食害を受けにくい硬めの葉の水草であれば、アヌビアス種やアマゾンソードなどのロゼット型水草がおすすめです。
ホテイアオイなども金魚との相性はいいですが、ホテイアオイの場合には室内の水槽での育成は難しいので、屋外飼育でしっかり日の光が当たる場所で育てるようにします。
金魚飼育と水草の量
金魚飼育における水草の量は少なくても多くても特に問題はありません。
極端に水草が密生した過密水槽では金魚の遊泳空間がなくなってしまいますので問題ですが、常識の範囲の量であれば問題ありません。
水草には水質浄化能力があるため、沢山育てることで水槽の水を浄化する能力が高まる傾向にあります。
金魚と人工水草
水草が枯れてしまったり、金魚に食べられてしまったりして見た目が悪くなることの懸念やメンテナンスの手間を惜しんで人工の水草を入れる方法もあります。
しかし、この方法は飼育者側の都合であり、金魚にとってはメリットのないことですので、あまりお勧めできません。
その理由として、人工の水草は硬いため金魚が泳いでいる間にぶつかって擦り傷を作る可能性があります。
さらに金魚の餌としての機能は全くありません。
もちろん水質浄化能力もありません。
そうなるとやはり本物の水草を入れてあげることをおすすめします。
水草を育てることに抵抗がある人には「金魚のおつまみ草」などの商品も販売されていますので試してみるといいかもしれません。
- 水草を育てる必要がない。
- 天然の水草を使用しているため水の中での揺らぎが自然の風景を演出してくれる。
- 人工水草ではないので金魚が怪我をすることがない。
- お腹を空かせた金魚のおやつになる。
このようなメリットがあります。
ただ品名からもわかるように金魚が食べてしまうので消耗品を考えて使用することをおすすめします。