
金魚が白くなるのは病気?
金魚の色が薄くなる色落ちや色抜けの原因とは?
金魚は成長すると色が変わる?
白くなった金魚はもとに戻る?
こんな金魚が白くなる色抜けや色落ちの原因と対処法についてご紹介いたします。
金魚が白くなるのは病気?
金魚が白くなる症状を見かけると、どうしても病気ではないかと心配になってしまうものです。
確かに、白くなる原因には病気が関係している場合もありますが、すべてが病気というわけではありません。
それぞれの症状や原因について見ていきましょう。
白雲病の症状と特徴
金魚の体が白くなる代表的な病気として「白雲病」があります。
この病気は、水中に生息する原生生物(水中のダニのようなもの)に寄生されることで発症します。
白雲病の症状は非常に特徴的で、金魚の体表に雲のような白い斑点が現れます。
白くなる理由は、金魚の体表面を守るぬめり(粘液)が異常に分泌され、寄生された箇所に白い膜状のモヤが形成されるためです。
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発症すると金魚は明らかな異常行動を示します。
初期症状では、体表面を痒がって水槽壁面や底砂などに盛んに擦りつける行動が見られます。
この行動は金魚が不快感を感じている明確な兆候であり、白雲病を疑うべきサインです。
病気が進行すると症状はさらに悪化します。
白い斑点が体表や鱗の上に徐々に広がり、膜を形成していきます。
末期になると全身に充血や赤斑、出血が見られるようになります。
さらに恐ろしいことに、呼吸の要であるエラにまで症状が進行すると、呼吸不全を起こして死に至ることもあります。
白雲病は発症から1~2週間程度で末期まで進行する進行の早い危険な病気として知られています。
白雲病と間違えやすい病気
白雲病と症状が似ていて間違えやすい病気に「水カビ病」があります。
水カビ病は真菌類(カビの一種)が水槽内で繁殖して金魚に感染する病気です。
水カビ病になると白い綿のようなカビが金魚の体表に付着し、全身に広がっていきます。
一見すると白雲病と似ていますが、よく観察すれば違いがわかります。
白雲病の白いモヤは魚が分泌する粘液でできた白濁した皮膜状であるのに対し、水カビ病はふさふさした白い毛のようなカビが特徴です。
また「尾ぐされ病」も白くなる症状を示します。
尾ぐされ病はカラムナリス菌に感染することで発症し、主にヒレの端が白濁した後に充血や出血が見られます。
しかし尾ぐされ病は、ヒレにのみ症状が出ることが多いため、体全体に症状が出る白雲病とは区別できます。
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病気ではない白さ:黒斑病(黒ソブ)の回復過程
「黒斑病」や「黒ソブ」と呼ばれる症状の回復過程でも金魚が白くなることがあります。
黒斑病は名前に「病」とついていますが、厳密には病気ではなく、以前怪我をした場所や白雲病からの回復過程、または水温低下時に体の一部が黒く変色する現象です。
この黒い部分が回復する際に一時的に白くなることがあります。
この場合は特に治療の必要はなく、時間が経過すれば自然に正常な色に戻ります。
白雲病の原因と予防
白雲病の直接的な原因は病原虫の寄生ですが、これらの病原虫が発生・増殖するきっかけとなるのが、水温の急低下や水質の悪化です。
水質悪化は主に水換えや掃除が不足していることで起こります。
こまめな水換えやフィルターろ材の清掃を怠ると飼育水が富栄養化し、病原虫が発生しやすい環境になります。
また、秋から冬にかけては水温が下がり、病原虫が増殖しやすくなると同時に、金魚の抵抗力も低下します。
白雲病を予防するには、定期的な水換えと水槽の掃除が最も効果的です。
金魚は水を汚しやすい魚なので、週に一度は1/3程度の水換えを行いましょう。
底砂やろ過フィルターの掃除も欠かせません。
また、急激な水温変化を避けるために、特に冬場は水槽用ヒーターの使用も検討すべきです。
適切な管理と予防によって、白雲病などの病気による「白くなる」症状は大幅に減らすことができます。
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金魚の色が薄くなる色落ちや色抜けの原因とは?
金魚の美しい色彩が徐々に薄くなっていく現象は、多くの飼育者を悩ませる問題です。
この色落ちや色抜けには、いくつかの明確な原因があります。
栄養不足による色落ち
金魚の赤色の素となるカロテノイドは、金魚自身が体内で生成できない重要な色素成分です。
そのため、金魚は餌から直接この成分を摂取する必要があります。
屋外の池で飼育されている金魚は、自然に繁殖する植物性プランクトンや動物性プランクトンからカロテノイドを摂取しています。
これらのプランクトンには、自然界の様々な色素成分が含まれており、金魚の体色を鮮やかに保つ栄養素となっています。
一方で、室内の水槽環境では、これらのプランクトンが十分に繁殖しないため、金魚は必要な色素成分を摂取できず、徐々に色が薄くなっていきます。
特に長期間にわたって色素成分の少ない餌だけを与え続けると、鮮やかだった赤色が次第にオレンジや薄い黄色に変化していきます。
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日光不足による色素の減少
金魚の体色を構成するもう一つの重要な色素としてメラニンがあります。
メラニンは黒色や茶色の色素として知られ、人間の肌の日焼けにも関係している成分です。
金魚もまた、太陽光に含まれる紫外線を浴びることでメラニンの生成が促進され、体色が濃くなります。
室内飼育では窓際に置いた場合でも、ガラスを通すと紫外線はほとんど遮断されてしまうため、メラニンの生成に必要な光を十分に浴びることができません。
そのため、屋内で長期間飼育された金魚は、屋外で育った同じ品種の金魚に比べて色が薄くなる傾向があります。
特に卵から室内で孵化させ育てた場合には、濃い赤色にならずに薄い黄色のままになることが多いのはこのためです。
背地反応(背地適応)による色の変化
金魚には周囲の環境色に合わせて体色を変える「背地反応」あるいは「背地適応」と呼ばれる能力があります。
これは捕食者から身を守るための生存戦略の一つで、周囲の環境に溶け込むことで天敵に見つかりにくくする効果があります。
そのため、白い底砂や明るい色の水槽で飼育すると、金魚は背地反応によって体色を薄くし、環境に溶け込もうとします。
逆に、暗い色の底砂や暗めの水槽環境では、金魚の体色は濃くなる傾向があります。
この現象は飼育環境を変えることで比較的短期間で変化が見られるのが特徴です。
水質悪化によるストレスと色落ち
水質の悪化は金魚にとって大きなストレス要因となり、体色の変化を引き起こします。
アンモニアや亜硝酸などの有害物質が増加した環境では、金魚は体調を崩しやすく、その結果として色が薄くなることがあります。
水換えを怠ったり、過密飼育をしたりすると水質は急速に悪化します。
金魚は比較的丈夫な魚ですが、長期間水質の悪い環境にさらされると、体色が失われるだけでなく、免疫力も低下し、最終的には様々な病気にかかりやすくなります。
水温の急変による色落ち
金魚の体色は水温の変化にも敏感に反応します。
特に秋から冬にかけての急激な水温低下は、金魚の代謝を遅くし、色素細胞の活動も低下させます。
その結果、体色が薄くなったり、くすんだりすることがあります。
金魚の活性が最も高まるのは23~25℃程度の水温環境です。
この温度帯では代謝が活発になり、色素細胞も十分に機能するため、体色が鮮やかになる傾向があります。
逆に15℃を下回るような低温環境では、体色が徐々に薄くなっていきます。
遺伝的要因と加齢による色の変化
金魚の色落ちには、遺伝的要因や加齢による影響も無視できません。
一部の金魚は遺伝的に色が変化しやすい性質を持っており、成長とともに徐々に色が変わることがあります。
また、高齢になると若い頃のような鮮やかな色を維持できなくなることもあります。
これは人間が年をとると髪の色が変化するのと似た現象で、色素細胞の活動が低下することが原因です。
ただし、適切な栄養と環境を提供することで、加齢による色の変化を最小限に抑えることは可能です。
金魚は成長すると色が変わる?
金魚の成長に伴う色の変化は、多くの愛好家を魅了すると同時に戸惑わせる現象です。
個体によって異なる変化のパターンが見られることが、この魚の持つ魅力の一つとなっています。
品種による色変化の違い
金魚の色変化は品種によって大きく異なります。
これは何世代にもわたる選別育種の結果、各品種に特有の遺伝的特徴が定着しているためです。
パンダ出目金の黒色消失
パンダ出目金は、その名の通り白と黒のパンダのような模様が特徴的な品種です。
幼魚の段階では目の周りや体の一部に黒い斑点を持っていますが、成長するにつれてこの黒色が徐々に薄くなり、最終的にはほぼ完全に消失することがあります。
この現象はパンダ出目金の飼育者の間では広く知られており、「白鳳(ぱいふぉん)化」と呼ばれることもあります。
黒色の消失は通常、生後6ヶ月から1年の間に徐々に進行し、最終的には真っ白な体色になることが一般的です。
このような変化は環境条件ではなく、遺伝的要因によるものなので、飼育方法を変えても防ぐことはできません。
虎柄金魚の模様変化
虎柄と呼ばれる金魚は、赤い体色をベースに黒い縞模様が入った美しい外観を持っています。
若い個体ではこの黒い縞模様がはっきりと見えますが、成長するにつれて黒色部分が次第に薄くなり、最終的には「素赤」と呼ばれる純粋な赤色の金魚に変化することが多いです。
この変化は通常、2〜3年かけて緩やかに進行します。
稀に黒色が残る個体もありますが、ほとんどの場合は完全に消失するか、わずかな痕跡程度になります。
キャリコ柄の黒色拡大
東錦(あずまにしき)や江戸錦(えどにしき)などに見られるキャリコ柄は、赤、黒、白、浅葱色が複雑に入り混じった美しい模様が特徴です。
しかし、これらの品種は成長するにつれて黒色の部分が拡大する傾向があります。
若い個体で全体の20%程度だった黒色部分が、成魚になると40〜50%を占めるようになることも珍しくありません。
この変化は通常、生後6ヶ月から2年の間に最も顕著に見られます。
そのため、キャリコ柄の金魚を購入する際は、将来の黒色拡大を見越して、若魚の段階では黒色が比較的少ない個体を選ぶことが推奨されます。
黒色から赤色への劇的変化
非常に稀なケースとして、真っ黒だった金魚が完全に赤色に変化することがあります。
この現象は特に黒出目金などの黒色品種で報告されています。
通常、このような劇的な色変化は生後1〜2年以内に起こり、数週間から数ヶ月かけて徐々に進行します。
最初は体の一部に赤みが現れ、次第に全身に広がっていくパターンが一般的です。
この変化は遺伝子の突然変異や隠性遺伝子の発現によるものと考えられていますが、正確なメカニズムはまだ完全には解明されていません。
更紗柄の色抜け
更紗(さらさ)柄と呼ばれる赤と白のまだら模様を持つ金魚では、赤色部分が部分的に白色に変化することがあります。
若魚の段階では鮮やかな赤白の対比が見られますが、成長するにつれて赤色部分が徐々に縮小し、白色部分が増えていく傾向があります。
特に頭部や背中など、日光に当たりやすい部位では赤色が長く維持される一方、腹部や側面では色抜けが顕著になることがよくあります。
環境要因と遺伝要因の相互作用
金魚の色変化は純粋な遺伝的要因だけでなく、環境との相互作用によって影響を受けることがあります。
日光による黒色の増加
キャリコ柄の金魚では、太陽光の紫外線を多く浴びると黒色の拡大が加速することが知られています。
これは紫外線がメラニン(黒色素)の生成を促進するためです。
屋外の池で飼育されたキャリコ柄の金魚は、室内水槽で育てられた同じ品種に比べて黒色部分が大きくなる傾向があります。
この現象を利用して、意図的に日陰で飼育することで黒色の拡大を抑制する飼育方法も実践されています。
異なる赤色表現の発達
金魚の赤色は単一ではなく、深紅、朱色、オレンジ、黄赤など様々な色調があります。
成長の過程で、これらの色調のバランスが変化することがあります。
若魚ではオレンジがかった赤色だったものが、成魚になると深みのある朱色に変化するなどの変化が見られます。
この現象は特に高級品種の琉金(りゅうきん)や蘭鋳(らんちゅう)で顕著に見られ、愛好家の間では「色の乗り」と表現されることもあります。
季節による一時的な色変化
金魚は季節によっても体色を変化させることがあります。
冬場は水温が下がり代謝が落ちるため、全体的に色が薄くなったり、くすんだりすることがあります。
春になり水温が上昇すると、再び鮮やかな色彩を取り戻します。
この季節変化は永続的な色変化とは異なり、毎年繰り返されるサイクルとなります。
特に屋外飼育では、この季節変化がより顕著に現れることがあります。
白くなった金魚はもとに戻る?
白くなった金魚が元の色に戻るかどうかは、多くの飼育者が抱える切実な疑問です。
この問いに対する答えは「状況による」というのが現実的な見解です。
栄養不足による色落ち
栄養不足が原因で色が薄くなった金魚は、適切な栄養を与えることで回復する可能性が最も高いと言えます。
金魚の赤色を構成するカロテノイドは餌から摂取する必要がある色素であり、この成分を豊富に含む専用の「色揚げ餌」を与えることで効果的に補給できます。
色揚げ餌には、スピルリナやアスタキサンチンなどの天然色素が配合されており、これらの成分が金魚の体内で吸収されて体色が回復していきます。
通常、色揚げ効果を実感するには2〜4週間程度の継続給餌が必要です。
ただし、色揚げ効果の高い餌は消化が悪い傾向があるため、一度に大量に与えるのではなく、通常の餌と3:7程度の割合で混ぜて与えることが推奨されます。

光不足による色落ち
日光不足が原因で色が薄くなった金魚は、適切な光環境を提供することで徐々に色を取り戻すことが可能です。
金魚の黒色素であるメラニンは紫外線を浴びることで生成が促進されるため、適度な日光浴が効果的です。
室内飼育の場合、水槽用の全スペクトル照明を導入し、1日10〜12時間程度照射することで、自然光に近い環境を作り出すことができます。
しかし、照明だけでは太陽光に含まれる紫外線の効果を完全に代替することは難しいため、可能であれば週に数回、直射日光が当たらない屋外の日陰で短時間の日光浴をさせることも効果的です。
色の回復には通常1〜2ヶ月程度かかりますが、個体差や環境条件によって期間は変動します。
背地反応による色落ち
背地反応(周囲の環境色に合わせて体色を変える現象)によって色が薄くなった場合は、飼育環境を変えることで比較的短期間で色が戻ることがあります。
白い底砂や明るい色の水槽で飼育されていた金魚を、黒や茶色などの暗い色の底砂に変更すると、金魚は環境に適応するために体色を濃くする傾向があります。
この変化は早い場合で1〜2週間、通常は1ヶ月程度で顕著になってきます。
特に若い個体ほど背地反応による色の変化が速く、年齢が上がるにつれて反応速度が遅くなる傾向があります。
水質悪化によるストレス性の色落ち
水質悪化や過密飼育などのストレスによって色が薄くなった場合、環境を改善することで色の回復が期待できます。
この場合、まずは水質の改善が最優先です。
水換えの頻度を増やし(週に1〜2回、30%程度)、適切なろ過システムを導入して水質を安定させましょう。
ストレスが軽減されれば、通常2〜3週間程度で金魚の体調が回復し始め、それに伴って体色も徐々に戻ってきます。
ただし、長期間ストレス環境に置かれていた場合は、回復に数ヶ月かかることもあります。
屋外飼育による劇的な色の回復
最も効果的な色の回復方法は、屋外の池や睡蓮鉢などでの飼育に切り替えることです。
屋外環境では太陽光、自然の餌(プランクトンなど)、季節の変化など、金魚の本来の生態に近い条件が整います。
特に「青水」と呼ばれる緑藻の発生した水で飼育することで、色の回復が著しく促進されることが多くの飼育者によって報告されています。
青水には微細な藻類が豊富に含まれており、これが金魚の天然の色素源となります。
屋外飼育に切り替えた場合、春から夏にかけての成長期に最も色の変化が顕著になり、通常2〜3ヶ月程度で驚くほど鮮やかな色彩を取り戻すことがあります。
ただし、屋外飼育は水温管理や捕食者対策などの課題もあるため、地域の気候や飼育環境に合わせた対応が必要です。
遺伝的要因による色変化は回復が難しい
パンダ出目金の黒色が抜けるなど、遺伝的要因による色の変化は、環境調整や栄養管理によって元に戻すことは極めて困難です。
これらの変化は金魚の持つ遺伝子によるものであり、後天的な介入では変化させることができません。
特に黒色の消失は、一度起こると元に戻ることはほとんどありません。
加齢による色の変化も回復が難しい
高齢の金魚で見られる色の変化も、完全に元に戻すことは難しい場合が多いです。
加齢に伴い色素細胞の機能が低下すると、若い頃のような鮮やかな色を維持できなくなることがあります。
栄養管理や環境改善によって部分的な回復は期待できますが、若い頃と同じ色調を取り戻すことは通常困難です。
病気からの回復後の色変化
白雲病などの病気から回復した金魚は、回復過程で体色に永続的な変化が残ることがあります。
特に重症だった場合や長期間病気に罹患していた場合は、色素細胞自体にダメージが残り、完全な色の回復が見られないことがあります。
病気の跡として白い斑点が残ったり、以前とは異なる色調になったりすることも珍しくありません。
色の回復に必要な時間
色の回復には個体差や環境条件によって大きな違いがありますが、一般的な目安として以下のような期間が考えられます。
軽度の色落ちの場合、適切な対策を講じれば1〜2ヶ月程度で目に見える回復が期待できます。
中程度の色落ちでは3〜6ヶ月、重度の場合は半年から1年以上かかることもあります。
若い個体ほど回復が早く、高齢の個体では時間がかかる傾向があります。
また、水温が高い春から夏にかけては回復が早く、水温が低下する秋から冬は回復が遅れることが多いです。
忍耐強く適切なケアを続けることが、金魚の色を取り戻すための鍵となります。
金魚の色が白くなるまとめ
- 金魚の白色化には病気(白雲病など)と自然な色落ちの両方の可能性があり、症状の違いを正しく見極めることが重要。
- 金魚の赤色の素となるカロテノイドは金魚自身が生成できないため、餌から摂取する必要がある。
- 金魚の体色は日光(紫外線)を浴びることでメラニン生成が促進され、色が濃くなる傾向がある。
- 金魚には周囲の環境色に合わせて体色を変える「背地反応」があり、白い底砂では金魚も白っぽくなる。
- パンダ出目金やキャリコ柄など、品種によって成長に伴う色の変化パターンが異なる。
- 栄養不足や環境要因による色落ちは適切な対策で回復可能だが、遺伝的要因による色変化は元に戻すことが難しい。
- 屋外飼育、特に「青水」と呼ばれる緑藻の発生した環境で飼育することが、金魚の色の回復に最も効果的である。