金魚の飼育には良いと言われているグリーンウォーターですが、メリットだけではなく、もちろんデメリットもあるため、除去したい、対策したいと考える人も多いものです。
そんな厄介者にもなってしまうグリーンウォーターを透明にする方法などをご紹介いたします。
目次
グリーンウォーターのデメリット
グリーンウォーターのデメリットとは飼育水が緑色になることにより鑑賞効果が下がることや植物プランクトンによる酸素の消費などが挙げられます。
さらに少々間違ったグリーンウォーターでは水面を覆い尽くし、水中の水草への光の供給を遮ったり、悪臭を放つこともあります。
正しいグリーンウォーター作りを行えば上記のような問題は解決できますが、今回は良質なグリーンウォーター、悪質なグリーンウォーター問わず全てのグリーンウォーターの除去や対策について書いていきます。
金魚水槽のグリーンウォーターを透明にする
グリーンウォーターが透明になる理由や透明にする方法を考えるには、逆転の発想が大切です。
グリーンウォーターができる理由を知ること、そしてその原因に対して対策をすることがグリーンウォーターを透明にする為の最良の方法なのです。
グリーンウォーターの原因対策
グリーンウォーターは植物プランクトンより形成されていますので、植物プランクトンの増殖を抑えることでグリーンウォーターの原因を抑制することができます。
その方法とは植物プランクトンのエサとなる養分を減らす、光合成が活発になるような光を遮る、水温を下げるなどが挙げられます。
それぞれの原因について順番に見ていきましょう。
まず、植物プランクトンのエサとなる養分を減らすことですが、植物プランクトンのエサとは金魚などのエサの食べ残しや金魚の糞などから作られる硝酸塩やリン酸塩とされています。
これらを減らせれば必然的に植物プランクトンはなかなか増えることが出来なくなります。
その方法とは、エサの量を少なめにする、生体の数を少なめにする、定期的な水換えを行うなどがあります。
次に光合成が活発になる光を抑える方法ですが、これは太陽の光を利用している場合と蛍光灯などを利用している場合で対策が変わってきます。
室内水槽などで太陽の光は入らず、蛍光灯やLED照明などを使っている場合には、点灯時間の管理が大切です。
基本的に水草は強めの光を12時間程度当てるのが理想的な育て方で、逆にグリーンウォーターやコケなどは弱い光が長い時間当たると発生しやすくなる傾向にあります。
※ここでの「弱い光が長時間当たると発生しやすい」とはグリーンウォーターの発生条件の一つということで、基本的にはグリーンウォーターは強い太陽光を好むものですので誤解無きようお願いします。
よって照明の点灯時間をプログラムタイマーなどで管理して規則正しい点灯時間にしてあげるだけでもコケやグリーンウォーターの発生を抑える効果があります。
屋外飼育の場合は太陽の当たる時間を調節するために置き場を変えてみるなどの方法があります。
朝日のみ当たる場所などで飼育してみるとグリーンウォーターが発生する割合が下がることもあります。
最後に水温を下げる方法ですが、これは植物プランクトンの活動を鈍らせることにより増殖を抑える方法ですが、ほかに生体が入っている環境ではそれらの生体にも影響を及ぼすのであまりおすすめの方法ではありません。
グリーンウォーターを除去する
上記3つの方法は原因対策であり、その原因対策を出来る範囲で取り入れつつ、やはり増えてしまった植物プランクトンは水換えなどで除去していくことがグリーンウォーター対策として一番効果のある方法です。
増えてしまったグリーンウォーターを減らす方法には水換えと捕食があります。
水換えは古い飼育水を汲み出して新しい飼育水を足すことによって行うもので、定期的に行うことでグリーンウォーターの濃度を薄くすることが出来ます。
しかし、水換えは根本的な対策ではないので、やはりグリーンウォーターの原因対策と合わせておこなっていくことが大切です。
水換えのメリットは短期間でグリーンウォーターを薄くすることが出来ることですが、定期的に行う必要があります。
もう一つの除去方法がグリーンウォーターの捕食です。
この方法は多少時間がかかりますが、出来上がってしまうと人の手による対策は必要なくなってきます。
グリーンウォーターの捕食と言うとちょっと?となってしまうかもしれませんが、グリーンウォーターの素である植物プランクトンを食べる動物プランクトンやその他の生体を増やすことで植物プランクトンの量を調整する方法です。
同時に濾過バクテリアの活動を活発にして、植物プランクトンのエサを減らす効果もあります。
この方法はまさしく自然界の食物連鎖を利用したもので均衡のとれた環境では一部の生物が大量発生することは無くなるのです。
しかし、動物プランクトンの増やし方がわからない。動物プランクトンが増えるまでどのくらい待てばいいのか分からないから待てない。
そんな人にはミジンコなども販売されていますので市販のミジンコなどをうまく利用して短期間で生態系を作ることも可能です。
このサイクルをうまくビオトープや水槽に作り上げることが出来ればグリーンウォーターに手を焼くことは無くなり、金魚にとっても素晴らしい環境となるはずです。
水換えや掃除の手間もほとんどかからず、金魚にとって最良の環境になるのですから是非目指したい水槽環境のはずです。
その方法とは・・・赤玉土や水草(水生植物)の力を借ります。
グリーンウォーターと赤玉土の関係
金魚飼育ではグリーンウォーター対策で赤玉土を使う方法があります。
なぜ赤玉土がグリーンウォーター対策に良いのか。それは赤玉土を底床として使うことにより、赤玉土に微生物が住み着くようになり、その微生物が水質の浄化の手助けをしてくれるのです。
赤玉土が無くても微生物は存在しているのですが、定着する場所が少ないとあまり増えることができません。
その点、赤玉土を入れることで定着する微生物の数が増えるので水質の浄化能力が格段に上がるのです。
一番身近にあり、入手しやすい赤玉土で話をしましたが、水生植物を一緒に育てるのであれば、水生植物用の土や荒木田土でも代用は可能です。
さらにバクテリアが住み着きやすいソイルなども販売されていますので利用してみるのも一つの手かもしれません。
グリーンウォーターと水草の関係
水草(水生植物)も水質浄化に効果があり、濾過バクテリアが分解した養分を吸収して成長するため植物プランクトンにのみ過剰な栄養が供給されることを防ぐ働きがあります。
エサの食べ残しや生体の糞が赤玉土に定着した微生物により分解され、その養分を水草が吸収して成長し、水中に酸素を供給してさらに動物プランクトンなどが活発に活動する。
この仕組みがしっかり出来上がればグリーンウォーターは徐々に消えていき、透明な水を維持することができます。
グリーンウォーターは金魚飼育に良いと言われていますが、水が透明になる状態が実は一番自然の状態に近い環境と言えるのです。