金魚のフンの掃除の頻度は?
金魚は自分のフンを食べる?
金魚のフンを食べる生き物がいる?
金魚のフン対策は生き物に任せておけば大丈夫?
金魚のフンの処理方法と分解とは?
こんな金魚のフンの掃除に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
金魚のフンの掃除の頻度は?
金魚のフンはそのまま放置してしまうと水質を悪化させるため、定期的な掃除が必要です。
金魚のフンの掃除頻度は水槽のサイズ、フィルターの性能、飼育している金魚の数、餌の量などによって異なります。
よって一概にどのくらいの頻度で掃除を行うと決めることは難しいですが、小さな水槽では週に1回程度、水の1/3を換える際にフンの掃除を行うのが良いでしょう。
ただ、金魚の数が多い過密飼育や餌をたくさん与えている時には、1週間に一回の掃除では水槽の底に沈殿したフンが目立つようになるかもしれません。
そのような時にはできるだけこまめに掃除をするようにしましょう。
その際、大掛かりな水換えを頻繁に行うことは金魚にとってストレスとなってしまいますので、水槽の底や水草の上などに溜まったフンだけをうまく吸い出すような方法で掃除をするようにすると金魚のストレスも少なくてすみます。
プロホースなどを使うと水槽の底に溜まった沈殿物だけをうまく吸い出すことができるようになります。
小さな水槽では細かい目の網などを利用して、目に見える大きなフンや餌の食べ残しだけを取り出すようにするだけでも水質の悪化を遅らせることができるようになります。
金魚は自分のフンを食べる?
結論から言うと金魚が自分のフンを食べることは基本的にはありません。
金魚を観察していると金魚がフンを口にすることもありますが、そのような場合でも、食べ物として認識しているわけではなく、すぐに吐き出します。
金魚はフンを口にしても味や触感からそれが食べ物でないと判断し口から出します。
なお、金魚がフンを口に入れることで飼い主が金魚がフンを食べていると誤解するケースがあります。
これはフンを口に入れた後、金魚がそれを口の中でクルクルと動かす動作が、食べるように見えるためかもしれません。
しかし、これは誤解であり、実際には金魚はフンを食べていません。
糞はすでに消化された物質が主であり、金魚が再びそれを食べるメリットはほとんどありません。
また、フンには有害なバクテリアや寄生虫が含まれる可能性もあり、フンを食べる行為が金魚の健康に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。
飼い主としては、水槽の清掃と水質管理をしっかりと行い、金魚が健康で快適な環境で生活できるように心掛けることが大切です。
そのためには、こまめなフンの掃除が必要となってきます。
金魚のフンを食べる生き物がいる?
金魚のフンを食べる生き物はいますが、いくつかの注意点がありますので必ず最後までお読みください。
そのことを前提に金魚のフンを食べる生き物をご紹介いたします。
金魚のフンは水槽内で有機物として存在します。
このような有機物は生態系の中で多くの生き物にとって重要な役割を果たすものとなります。
金魚のフンを食べる生き物としては、多くの微生物や一部の水中に生息する生き物が挙げられます。
具体的には以下のような生き物が該当します。
スネールなどの巻貝
水槽に生息する巻貝は、フンや藻を食べることで知られています。
特にアップルスネールなどは、水槽の掃除屋として人気があり、金魚のフンを掃除する役割を果たしています。
タニシ
タニシもまた水槽の掃除屋として人気のある巻貝です。
タニシは水槽の底に溜まった有機物を食べて分解してくれるため、餌の食べ残しや金魚のフンなどを掃除してくれます。
さらにタニシは水中に浮遊している有機物でさえ食べることができるため、水を綺麗にできる生物としても知られています。
ヤマトヌマエビ
ヤマトヌマエビもタニシなどと同様に餌の食べ残しや金魚のフンなどを食べて分解してくれます。
ミナミヌマエビ
ミナミヌマエビも水槽内で飼育できるエビとしてヤマトヌマエビ同様に人気のあるエビです。
このような生物をデトリタス食生物と呼び、餌の食べ残しやフンなどを食べて、その中から必要とする栄養を吸収し、さらに細かな老廃物として排出しています。
よってこのような生き物たちがフンを食べることで、フンの分解が進み、水槽内での腐敗がおこりにくくなります。
バクテリア
金魚のフンにはバクテリアが繁殖しやすい成分が多く含まれています。
水槽内ではこれらのバクテリアが金魚のフンを分解し、栄養源として利用します。
これらの生き物が金魚のフンを食べることで、水槽内の生態系のバランスが保たれ、金魚自体の生活環境も向上します。
金魚のフン対策は生き物に任せておけば大丈夫?
金魚のフン対策として、生き物を水槽に導入することが考えられる一方で、この方法だけに依存するのは適切ではありません。
その理由としては
- 金魚のフンの量を全て処理しきれない。
- 金魚によって食べられてしまうことがある。
- 最終的には水換えが必須となる。
などが挙げられます。
金魚のフンの量を全て処理しきれない
金魚は1日に体重の10~20%程度のフンを排泄します。
フンが水槽内に大量に溜まると、水質が悪化し、金魚の健康に悪影響を及ぼすリスクが高まります。
ミナミヌマエビやヤマトヌマエビ、タニシなどは金魚のフンを食べてくれますが、金魚が排出する量の方が断然多いため全てを処理しきることは難しくなります。
これらの生き物はフン掃除の助けとなるもののフンの処理を完全にコントロールするための唯一の手段とは言えません。
金魚によって食べられてしまうことがある
金魚のフンを食べる生き物を導入する際に一番気をつけなければいけないことは、金魚による捕食です。
金魚は強い雑食性のため口に入るものはなんでも食べてしまう傾向にあります。
そのため、小さなエビや貝類なども金魚に食べられてしまいます。
よって金魚のフンを食べる生き物を導入する際には金魚との大きさに注意が必要です。
タニシなどのように大きめの貝類なら問題ありませんが、細長いヌマエビなどを特に注意が必要です。
金魚の稚魚や幼魚なら混泳も可能ですが、金魚の成長とともに混泳を見直さなければなりません。
最終的には水換えが必須となる
金魚のフンを食べてくれる生き物がいたとしても最終的には水換えが必要となってきます。
その理由はフンの分解によって生成される物質に関係しています。
この件についてはこの後の「金魚のフンの処理方法と分解」のところで詳しくご紹介いたします。
金魚のフンの処理方法と分解とは?
金魚のフンは水槽内の水質を悪化させる原因となるため、適切な処理と分解が必要となってきます。
金魚のフンの処理方法
金魚のフンの処理とは金魚のフンを掃除して水槽や金魚鉢などから取り除くことです。
そのような世話を行うことで金魚のフンが腐敗して水質を悪化させてしまうことを防ぐ効果があります。
金魚のフンの処理方法には
- 濾過フィルターで処理する
- ネットなどで掬い取る
- プロホースなどで吸い出す
- 水換えを行う
などが挙げられます。
濾過フィルターを設置しておくことで水中に浮遊する金魚のフンを水流に乗せて濾し取ることができます。
濾過フィルターに溜まった汚れを定期的に掃除することで水質を維持することができます。
濾過フィルターを使用するメリットは飼育者がそばに居なくても24時間365日水を綺麗にしてくれるという点です。
デメリットとしては、多少の電気代がかかることと物理的濾過がメインのため、沈殿した有機物や分解されて残った物質は濾過しきれないことがあります。
ネットで掬い取る方法は大量の沈殿したフンや餌の食べ残しを一気に取り除くことができるというメリットがあります。
デメリットとしては手間がかかることと金魚がびっくりしてしまうことです。
またネットでの救い取りは部分的な掃除であり、他の掃除方法と組み合わせて使わないとすぐに水質は悪化してしまいます。
プロホースとは水槽の底に沈殿したフンや餌の食べ残しなどを水と一緒に吸い出すアイテムです。
水槽の中で水質が一番悪化しやすい場所が底床付近ですので、プロホースで下の方の汚れた水や有機物を吸い出す方法は非常に効果的と言えます。
デメリットとしては排水した分だけ水を足さなければいけませので、事前に足し水を用意しておく必要があります。
最後の水換えを行う方法は一番水質を綺麗に保てる方法です。
しかし水換えを頻繁に行うことはデメリットも多くありますので水換えの頻度や量、やり方などはしっかり考えて行わなければなりません。
金魚のフンの分解とは
金魚のフンの分解とは微生物によってフンが細かくされていく過程を指します。
水槽内には濾過バクテリアが存在し、その濾過バクテリアの働きによって金魚のフンは分解されていきます。
金魚のフンは分解される過程でアンモニア→亜硝酸→硝酸塩の順で有害性が低くなっていきます。
その結果、金魚にとって有害な物質が減り、金魚の体調不良や病気の原因を抑えることができるようになります。
しかし最終的に残る硝酸塩や窒素、リンなどは濾過バクテリアの働きだけでは処理しきれないため水換えが必要となってきます。
この水換えをサボってしまうと水槽内に緑色や茶色のコケが生えるようになってきます。
金魚のフンを分解する働きのあるバクテリアやバクテリアを配合した餌なども販売されていますので、そのようなアイテムをうまく取り入れるのも金魚のフン対策の一つと言えます。
金魚のフンの掃除まとめ
- 金魚のフンの掃除頻度は水槽のサイズ、フィルターの性能、飼育している金魚の数、餌の量などによって変わってくる。
- 金魚は自分のフンを食べることはないが、金魚のフンを食べて分解してくれる生物はいる。
- 金魚のフンを食べる生物と金魚を混泳させる場合には金魚の口に入らない大きさのものを選ぶ必要がある。
- 金魚のフンは濾過フィルターや救い取り、吸い出し、水換えなどで処理することができる。
- 金魚のフンの掃除を少なくするためには、処理方法をうまく活用しながら、金魚の数を抑え、餌の量も過剰にならないようにすることが大切。
今回は金魚のフンの掃除に関する疑問についてご紹介しました。皆様の金魚飼育の参考にしていただけると幸いです。