金魚の水槽がすぐに汚れるのはなぜ?
金魚水槽が茶色く濁る濁りの原因は?
金魚水槽の白濁りの原因は?
金魚水槽をきれいに保つ方法は?
こんな金魚水槽の汚れについてご紹介します。
目次
金魚水槽がすぐに汚れる理由
金魚水槽が汚れる原因は水中に漂う有機物です。
水中に漂う有機物とは金魚の糞や餌の食べ残し、生体の死骸など様々です。
これら有機物がバクテリアにより分解されたり、腐敗したりすることで水が汚れていきます。
有機物が腐敗すれば水は濁り、悪臭を放つようになりますのですぐに気がつくはずです。
もう一つの汚れの原因となるバクテリアによる分解は少々厄介なもので多くの人が水の汚れで悩む原因の多くはこちらの問題であることが多いものです。
バクテリアは人の目には見えない小さな微生物です。
このバクテリアは水槽管理をしていると徐々に増えていき水槽内で様々な働きをしてくれています。
有機物を分解するバクテリア、分解された有機物をアンモニアに変えるバクテリア、アンモニアを亜硝酸に変えるバクテリア、亜硝酸を硝酸塩に変えるバクテリア。
このようにバクテリアの働きにより水槽内の物質は常に変化しています。
アンモニアは生体にとって非常に毒性が強くアンモニアが検出されるような水槽ではすぐに金魚が死んでしまうものです。
亜硝酸はアンモニアほど毒性は強くありませんが、やはり蓄積すると金魚にとって害となります。
硝酸塩は毒性が低く多少検出されても金魚がすぐに死んでしまうことはありません。
一般的に硝酸塩はアンモニアや亜硝酸塩よりは毒性が低いものの、濃度が30ppmに達すると生長の阻害や免疫系の阻害を起こすことがあり、水棲生物に悪影響を及ぼすとされています。
また、これら物質は体内に蓄積していきますので長年硝酸塩の検出される環境で金魚を育ててしまうと長生きできない原因となってしまいます。
自然界では硝酸塩は植物に吸収されて植物の栄養となります。
飼育環境下でも水草などにより吸収されることもあります。
しかし大半の硝酸塩は水換えにより排出をしなければ水槽内からなくなることはありません。
よって金魚飼育では必ず水換えが必要となってくるのです。
水換えを怠ると硝酸塩が蓄積し金魚に害となるうえ、珪藻と呼ばれる植物プランクトンに吸収されて水が徐々に茶色くなっていきます。
この悪いサイクルが活性化してしまうと水槽の水が汚れるスピードが早くなります。
回数が多すぎる。1回の量が多すぎるなどの餌の与え過ぎは水槽が汚れる原因の一つとなります。
水槽の大きさ(水量)に対して金魚の数が多い場合にはその分排泄物も増えますのでこれもまた原因の一つとなります。
金魚の大きさももちろん関係してきます。大きな金魚と小さな金魚では食べる量も違ければ排泄量も違うものです。
死んでしまった生体の放置などは論外と言えるほど水を汚しますのですぐに取り出しましょう。
このように水槽の水が汚れるのには色々な要因が関係しています。
金魚水槽が茶色く濁る濁りの原因
金魚水槽が茶色く濁る理由は硝酸塩の量と珪藻の量です。
水槽内で発生した硝酸塩は水草や植物性プランクトンによって利用されるのが正常ですが、これらの機能がしっかりできていないと飽和した硝酸塩を茶ゴケが利用してしまうということにつながります。
※(茶苔も珪藻と呼ばれる植物性プランクトンの一種ですが、ここでは分けて説明するためここでいう植物性プランクトンと珪藻とは別の種を意味します)
茶ゴケと呼ばれるように珪藻は茶色い色合いをしていますのでその数が増えると水槽の水は茶色く濁ったように見えます。
この問題を解消するには硝酸塩の量を減らすか、珪藻以外の植物に硝酸塩を吸収させるしかありません。
水草や浮き草のホテイアオイなどの植物を入れると水質浄化能力があるので水を綺麗にしてくれるという話を聞くことがあると思いますが、まさしく水草などの植物がもつ水質浄化能力と呼ばれるものが硝酸塩の吸収です。
水草が硝酸塩を吸収すると茶ゴケの素となる珪藻に栄養が行き渡らないため珪藻が極端に増えることはありません。
そうなると水が茶色く濁ることもなくなります。
金魚水槽の白濁りの原因
水槽の水が茶色く濁るのは珪藻が原因。
それでは白く濁る白濁の原因はなんなのか?
水槽で起こる白濁の原因は一つではありません。
白濁にも色々な種類の白濁があり、それぞれに原因が異なります。
その中でも大きくわけると
- 粉塵の巻き上げ
- 有機物の浮遊
- 濾過バクテリアの死滅
この3つが関係していることが多いものです。
粉塵の巻き上げによって起こる白濁
粉塵の巻き上げとは水槽セット時や掃除の時に細かい微粒子を巻き上げてしまうことにより水が白く濁って見える現象です。
粉塵の巻き上げが原因の場合には早ければ即日、遅くても2、3日中には白濁は解消されます。
有機物の浮遊によって起こる白濁
有機物の浮遊とは生体の死骸や餌の食べ残しなどが腐敗して水中に漂う状態です。
この白濁が起こる時には水槽の底に腐敗した有機物が蓄積していることが多いものです。
この状態は水槽の環境としては良くない状態で、そのまま放置してしまうと金魚などが死んでしまうこともあります。
早急に水換えを行い水質の改善をしなければなりません。
濾過バクテリアの死滅によって起こる白濁
濾過バクテリアの死滅とは濾過フィルターや底床の掃除などをした際に間違った方法で行ったことにより濾過バクテリアが死んでしまうことがあります。
そのような時に死んでしまったバクテリアが水中に浮遊して水が白く濁ることがあります。
また夏の高水温による酸素不足などによりバクテリアが減少してしまうこともあります。
このような時には水の白濁とともに水面に油膜のようなものができることがあります。
濾過バクテリアの減少に対しては時間をかけてバクテリアが増えるのを待つしかありません。
それまでは水槽内での分解能力が低下していますので有機物の量を極力抑えて水が汚れないようにしましょう。
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金魚水槽をきれいに保つ方法
ここまで様々なパターンの水槽の汚れについてご紹介してきましたが、水槽の水が汚れる原因にはいろいろなものがあることをご理解いただけたと思います。
その原因を一つ一つ解決していくことで水槽を綺麗に保ちすぐに汚れてしまわない水槽を保つことができます。
簡単に要点をまとめますと
水の汚れの大きな原因は水槽内の有機物ですので有機物の投入を減らすことで水槽が汚れるスピードを遅らせることができます。
- 金魚の飼育数は少し寂しいくらいの数に抑える。
- 出来るだけ大きく水量を確保できる水槽で金魚を飼育するようにする。
- 餌は食べるだけ与えるのではなく適量を把握して過剰に与えないようにする。
- 定期的な水換えの周期を決めて水槽が汚れる前に不要な有機物を水槽から排出する。
これらのことを守るだけでも水槽の汚れるスピードはかなり遅らせることができます。
水換えはプロホースなどを利用して水槽の底の方に溜まった有機物を効率よく排出すると効果的です。
金魚水槽が汚れる理由まとめ
- 水槽が汚れる原因の大半は水中に漂う有機物。
- 有機物が腐敗すると水は白く濁り悪臭を放つ。
- 有機物がバクテリアによって分解されることにより毒性の低い物質へと変化していく。
- 最終的に水槽内で硝酸塩が蓄積していく。
- 硝酸塩は水換えによる排出か植物による吸収によって無くなる。
- 毒性の低い硝酸塩でも溜まりすぎると金魚が死んでしまう。
- 硝酸塩は珪藻の栄養となり水が茶色く濁る。
- 水槽の水が汚れないようにするには水槽に投入する有機物の量を減らす。
- 定期的な水換えを行い水槽が汚れる前に水質の改善をする。
今回は金魚水槽が汚れる理由についてご紹介しました。皆様の金魚飼育の参考にしていただければ幸いです。