60cm水槽に金魚を何匹入れると過密飼育になる?
金魚の過密飼育のメリットとデメリットは?
金魚の過密飼育では濾過が重要?
金魚を過密飼育で上手に育てるコツはある?
こんな金魚の過密飼育に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
60cm水槽に金魚を何匹入れると過密飼育になる?
60cm水槽で金魚をたくさん飼いたいけれど、何匹入れたら過密飼育になるのか?
こんな疑問に対する答えは、実ははっきり決まっていません。
金魚の飼育においては過密飼育の定義というものをなかなか決めにくいものがあります。
その理由は金魚の成長度合いによっても過密飼育とされる数が変わってくるからです。
金魚はメダカなどと違い、何年もかけて常に大きく成長していく魚種であることを忘れてはいけません。
そのようなことを含まえて60cm水槽での金魚の過密飼育について考えてみましょう。
60cm水槽に何匹の金魚を入れることが適切かは、いくつかの要因に依存します。
その要因とは
- 金魚の大きさと種類
- 水槽のろ過の能力
- 短期的判断か長期的判断か
- 飼育者の飼育スキル
などが挙げられます。
金魚の大きさと種類
一般的な金魚飼育においては金魚の大きさ1cm辺り2~3L程度の水量を確保した方が安定した飼育に繋がりやすいと言われます。
安定した飼育とは過密飼育ではなく、無理なく育てやすい環境ということですので、逆の発想をすれば2L以下で飼育したら過密飼育になると考えることもできます。
よって、体長5cmの金魚を1匹飼育するのに10L以下の水量だと過密飼育とも考えることができます。
60cm水槽の水量は計算上60L程度ですので、5cmの金魚であれば6匹以上の飼育で過密飼育となります。
さらに金魚の種類によって活動量なども変わってくるため、活動量の多い和金タイプより琉金タイプの方が多少多めに入れることができるなど細かい考え方もできます。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、金魚の成長やその他の条件によって、飼育できる匹数は変動します。
水槽のろ過の能力
金魚の飼育数に大きな影響を与える要因の一つが水槽の濾過能力です。
金魚の過密飼育において一番懸念される問題が水質の悪化です。
同じ大きさの水槽を用いても濾過能力の高い環境と濾過が全く機能していない環境では金魚を長期に渡って飼育できる数も変わってきます。
当然、濾過能力が高ければ、それだけ多くの金魚を飼育しても水が汚れにくくなります。
しかし、金魚の種類によっては濾過能力を高めすぎると(水流が強すぎると)泳ぎ疲れてしまうなどの問題を起こす種類もいるため、その点についても考慮しなければなりません。
短期的判断か長期的判断か
金魚の飼育数に対しては、短期的な飼育なのか、長期的な飼育なのかによっても変わってきます。
短期的な飼育であればエアレーションなどでしっかり酸素を確保していれば、多少の過密飼育でも金魚を育てることは可能です。
長期的な飼育となると水質の悪化に注意が必要になりますし、金魚の成長によって過密飼育の基準も変わってしまいます。
金魚が大きくなれば必然的に今のままの環境では過密飼育になってしまうため、大きな水槽への移動や別環境での飼育が必要となってきます。
飼育者の飼育スキル
最後になりましたが、金魚の過密飼育において一番大切なことが飼育者の飼育スキルかもしれません。
過密飼育でも飼育者がしっかりとした世話の仕方や水質の悪化を判断できるスキルなどを有していれば、金魚を健康的に育てることは可能です。
逆に金魚飼育初心者の人が過密飼育をしてしまうと気付かぬうちに水質が悪化してしまったり、金魚が体調を崩してしまうなどの問題がどうしても起こりやすくなってしまいます。
金魚の過密飼育のメリットとデメリットは?
金魚の過密飼育には、どのようなメリットとデメリットがあるのかを知っておくことは金魚の過密飼育を成功させるコツとも言えます。
メリットとデメリットを理解したうえで、過密飼育を行うべきかどうかを検討してみてください。
金魚の過密飼育のメリット
水槽のスペースを節約できる
金魚を過密飼育することで、大きな水槽を置くスペースを確保する必要がなくなります。
特に限られたスペースで金魚を飼いたい場合や、コストを抑えたい場合には過密飼育を選択することもあります。
金魚をたくさん見ることができる
多くの金魚を一つの水槽で飼うことができるので、華やかさが増し、動きや姿を楽しむことができます。
水槽の掃除の手間が減る
一つの水槽で多くの金魚を飼うことができるため、複数の水槽を掃除する手間を省くことができます。
ただし、金魚の数が多ければ水槽の掃除回数が増えてしまうことは避けられません。
金魚の過密飼育のデメリット
水質が悪化しやすく金魚が病気になりやすい
金魚が餌を食べれば、必然的に糞をします。
過密飼育を行うと、これらの排泄物が水槽内に多く溜まり、水質の悪化が早まりやすくなります。
水質の悪化は金魚にとって病気を引き起こす最大の原因となります。
水槽が汚れやすく、見た目が悪くなる
過密飼育により、水槽内の排泄物や残食が増えるため、水槽が汚れやすくなります。
これにより、水槽の見た目が悪くなるだけでなく、清掃の手間も増えることとなります。
金魚がストレスを感じやすく寿命が短くなる
過密飼育された金魚は十分なスペースで泳ぐことができず、ストレスを感じることが多くなります。
このような環境下では、金魚の寿命が短くなる可能性が高まります。
総じて、金魚の健康や寿命を考慮するならば、過密飼育は避けるべきです。
適切な水槽のサイズや金魚の数を考慮して、金魚を飼うことが最も重要です。
過密飼育は、金魚の健康を害するだけでなく、飼い主にとっても手間が増えることが予想されます。
水質の悪化、魚同士のストレス、病気の発生リスクの増加など様々な問題が生じる可能性が高まります。
このようなメリットとデメリットを理解したうえで、過密飼育を選択するのであれば飼育者のスキルアップが必要となります。
その中で最初に検討すべきは濾過能力でしょう。
金魚の過密飼育では濾過が重要?
過密飼育とは水槽のサイズに対して飼う魚の数が多すぎる状態を指します。
過密飼育状態が続くと、水槽の水質が急速に悪化するリスクが高まります。
過密飼育のデメリットでも挙げました水質の悪化、魚同士のストレス、病気の発生リスクの増加などの問題を極力抑えることができるのが濾過能力の高さです。
金魚水槽が汚れる原因は餌の食べ残しや金魚の排泄物で、過密飼育状態ではこれらの汚れが蓄積しやすくなります。
このような汚れは、アンモニアや硝酸塩などの有害物質に変わり、金魚の健康を脅かす要因となります。
そのため濾過の役割が非常に重要となります。
濾過は水中の汚れや有害物質を取り除く過程を指します。
具体的には、物理濾過で大きな汚れを取り除き、生物濾過でバクテリアを使用して有害物質を分解し、化学濾過で水質を調整するという3つの方法があります。
過密飼育状態では、これらの濾過が十分に機能しないと、水質が悪化して金魚が病気になったり、最悪の場合死んでしまうリスクが高まります。
適切な濾過を行い、水質を常に良好に保つことは金魚飼育の基本中の基本です。
特に過密飼育をしている場合には濾過の役割は一層重要となります。
適切な濾過に加えて、適切な餌の量を与えること、定期的な水換えを行うことなど、基本的な世話を怠らないよう心掛けることが金魚の健康を守る鍵となります。
金魚の過密飼育では濾過が非常に重要であり、その役割を理解し、適切な飼育環境を整えることで、金魚を健康に長生きさせることができるのです。
現状の濾過フィルターに加えて、外掛けフィルターや投げ込み式フィルターで濾過能力をアップさせるのもおすすめの方法です。
金魚を過密飼育で上手に育てるコツはある?
金魚を過密飼育で上手に育てるコツは存在します。
しかし、過密飼育は金魚の健康に悪影響を及ぼす可能性が高いため、必要最低限の期間だけ行い、できるだけ広い水槽や池、メダカ鉢などで育てることをおすすめします。
金魚を過密飼育で上手に育てるコツとは
- 水質を常に良好に保つ
- 餌の量を適切に制限する
- 病気や寄生虫に細心の注意を払う
- エアレーションを行い酸素の供給量を増やす
などが挙げられます。
水質を常に良好に保つ
金魚は水質の変化に敏感であり、水質が悪化すると健康を害する可能性があります。
定期的に水質を測定し、必要に応じて水換えをすることで、金魚にとって快適な環境を維持することが重要です。
餌の量を適切に制限する
金魚は食欲旺盛な魚であり、与えられる限り餌を食べ続ける傾向があります。
しかし、餌をやり過ぎると水質が悪化し、金魚の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適量の餌を与えることが大切です。
特に過密飼育では餌を与えすぎると排泄物が増える問題や金魚の成長が早まり手狭になりやすいなどの問題も起こりやすくなります。
ただ、金魚の個体差や種類によって餌をなかなか食べられない金魚などが出てくる場合もあるため、すべての金魚がしっかり餌を食べられているかを確認しながら餌やりを行うことも必要となってきます。
病気や寄生虫に細心の注意を払う
過密飼育状態では、病気や寄生虫が広がるリスクが非常に高まります。
常日頃から金魚の健康チェックを行い、金魚の体調を観察して、異常が見られた場合には早急に対処することが求められます。
エアレーションを行い酸素の供給量を増やす
エアレーションを行うことで酸素の供給量を増やす事は多くのメリットがあります。
金魚に新鮮な酸素を送ることも大切ですが、水槽内の濾過バクテリアなども酸素を必要とします。
酸素が不足すると金魚よりもバクテリアの方が先に死滅してしまうため、急激に水質が悪化する原因となってしまいます。
水面に油膜のような膜ができやすかったり、水が白く濁りやすい時などはこのような問題が起きている可能性が高いと言えます。
金魚の過密飼育まとめ
- 金魚はメダカなどと違い、何年もかけて常に大きく成長していく魚種であることを忘れてはいけない。
- 基準の考え方としては60cm水槽の水量は計算上60L程度ですので、5cmの金魚であれば6匹以上の飼育で過密飼育となる。
- 過密飼育でも飼育者がしっかりとした世話の仕方や水質の悪化を判断できるスキルなどを有していれば、金魚を健康的に育てることは可能。
- 過密飼育において水質の悪化、魚同士のストレス、病気の発生リスクの増加などの問題を極力抑えることができるのが濾過能力の高さ。
今回は金魚の過密飼育に関する疑問についてご紹介しました。皆様の金魚飼育の参考にしていただけると幸いです。