金魚の尾ぐされ病の原因と治療?薬を使わない塩水浴はダメ!?

2023年3月12日

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金魚の尾ぐされ病の原因と治療

金魚の尾ぐされ病とは?

尾ぐされ病の原因や初期症状は?

尾ぐされ病の末期症状はどうなる?

尾ぐされ病で薬を使わない塩水浴はダメ?

尾ぐされ病におすすめの薬は?

尾ぐされ病に対するメチレンブルーの効果は?

尾ぐされ病の治療に最適な水温とは?

こんな金魚の尾ぐされ病に対する疑問についてご紹介いたします。

金魚の尾ぐされ病とは?

金魚に限らず観賞魚に多く見られる病気が「尾ぐされ病」です。

尾ぐされ病とはその名前の通り、尾ヒレなどのヒレが腐ったように溶けてしまう病気です。

金魚は特に尾ぐされ病にかかりやすいとも言われますが、それは金魚の性質や飼育環境に起因します。

金魚の尾ぐされ病の原因と初期症状

金魚の尾ぐされ病の原因

金魚の尾ぐされ病の原因は細菌の感染です。

滑走細菌類の一種であるフラボバクテリウム カラムナーレ(カラムナリス菌)が金魚に感染することで発症します。

カラムナリス菌は特別な菌ではなく、水中に常に存在する常在菌です。

よって免疫力がある元気な金魚に感染する事はほとんどありません。

それでは、金魚がカラムナリス菌に感染して尾ぐされ病を発症する原因には、どのようなものがあるのでしょうか。

大きく分けると次の2つです。

  • 水質悪化やストレスによる免疫力の低下
  • 金魚同士のいじめなどによる傷

水質の悪化や急激な温度の変化、新しい水槽への移動など、飼育環境の変化は金魚にとって大きなストレスとなります。

金魚にストレスがかかると免疫力が低下し、カラムナリス菌に感染しやすくなります。

また、金魚同士のいじめが原因で尾ひれが傷ついてしまう事もあります。

さらに網や水槽内のレイアウト、ヒーターなどにヒレが擦れて傷がついてしまうことも、尾ぐされ病の発症リスクが高まる原因の1つです。

このような傷口からカラムナリス菌が感染して、尾ぐされ病にかかってしまうのです。

このように、金魚は様々な原因で尾ぐされ病に罹りやすいと言えます。

金魚の尾ぐされ病の初期症状

それでは、尾ぐされ病に感染するとどのような初期症状が現れるのでしょうか。

尾ぐされ病に感染すると、初期症状として感染したヒレの先端が白く濁ります。

加えて、濁ったヒレの周辺が赤く充血したようになります。

これが尾ぐされ病の初期症状です。

このような症状が見られたら早めに治療しましょう。

尾ぐされ病の重症化・末期症状

金魚の尾ぐされ病が進行した末期症状

尾ぐされ病の初期症状に気づかずに、症状が進んでしまい重症化するとどのような状態になるのでしょうか。

金魚の尾ぐされ病が末期まで進むと、尾ヒレなどのヒレが根本まで裂けてバサバサになり、ヒレの付け根部分が赤く充血します。

初期はヒレの先端だけだったものが、根本まで進行して、鰭条(きじょう:ヒレの幕状の部分を支える細い骨)を残してバサバサになった状態が末期症状です。

また、傷口に水カビが発生する場合もあります。

細菌に感染して弱ってしまった患部は水カビの感染リスクを高めてしまうため、水カビ病の併発も起こりやすくなります。

末期症状まで尾ぐされ病が進行すると、金魚が衰弱して死んでしまうケースも多いものです。

尾ぐされ病は進行が早いので、見つけたらすぐに治療を開始するようにしましょう。

金魚の尾ぐされ病の治療

金魚が尾ぐされ病に罹ってしまったらどのように治療すれば良いのか。

初期症状と末期症状で治療方法に違いはあるのでしょうか。

まず、初期と末期での治療方法の違いですが、基本的には同じ治療となります。

ですが、末期症状の場合は完治がかなり難しく、治ったとしてもヒレが完全に元に戻るのは難しいでしょう。

よって尾ぐされ病の治療は、末期症状になる前に、早めに治療を開始することが大切です。

尾ぐされ病で薬を使わない塩水浴はダメ?

尾ぐされ病は塩浴だけでは自然治癒しにくい

尾ぐされ病の初期症状の治療に塩浴を進める話をよく聞きますが、これは間違いです。

尾ぐされ病の治療を塩浴だけで行うことは逆効果となるので注意しましょう。

「塩浴だけ」という点が注意ポイントですので、塩浴が絶対に良くないということではありません。

なぜ塩浴が逆効果になるのかを説明した後に正しい治療方法の説明をします。

まず、なぜ尾ぐされ病の治療に塩浴を進める方がいるのかというと、「0.3~0.5%の塩分濃度の塩浴をすることで、傷口からの体液の流出を抑え、魚の自然治癒力を高める」という理論からです。

この理論自体は間違っていません。

よって、ちょっとした傷ならば、塩浴することで治りが早くなります。

ですが、尾ぐされ病の場合は塩浴だけでは効果が不十分ばかりか逆効果です。

その理由はカラムナリス菌の発育条件にあります。

塩浴は尾ぐされ病の原因菌を育ててしまう

カラムナリス菌が最も活発に発育する条件は、水温が27~28℃で、塩分濃度0.5%の環境です。

参考:静岡県水産・海洋技術研究所

つまり、金魚の飼育温度と塩浴の塩分濃度は、カラムナリス菌が最も活発に生育する条件と一致するのです。

そのため、尾ぐされ病にかかった金魚に塩浴をすると、カラムナリス菌が活発になり、病気の進行を早める危険性があります。

では、尾ぐされ病の正しい治療方法とはどのようなものなのでしょうか。

尾ぐされ病におすすめの薬は?

尾ぐされ病におすすめの薬は抗菌剤

尾ぐされ病の治療に必要なのは「抗菌剤」による「薬浴」です。

治療に使う代表的な抗菌剤は「グリーンFゴールド顆粒」です。

他に「観パラD」や「エルバージュエース」があります。

これらの薬剤の使用と塩浴を併用するとさらに効果的です。

尾ぐされ病は観パラDなどの薬と塩浴の併用が効果的

先程の説明で、「塩浴だけではダメ」と言いましたが、薬浴と合わせて使うと治療効果が上がります。

理由は「0.3~0.5%塩分濃度の水は、金魚の体液の流出を抑えて自然治癒力を高める」からです。

この方法は塩分だけでなく抗菌剤も投入しているので、カラムナリス菌の発育条件を満たしません。

よって0.3~0.5%の塩分濃度にしても大丈夫ですし、塩浴の効果がプラスされ治療効果が上がります。

尾ぐされ病の治療効果が高い方法をまとめると、「抗菌剤と塩分濃度0.3~0.5%の塩浴の併用」ということになります。

尾ぐされ病に水カビ病を併発している場合にはメチレンブルーが効果的

このほか、傷口に水カビが併発している場合は、メチレンブルーなどを追加します。

尾ぐされ病の原因となるカラムナリス菌には上記抗菌剤を使用し、症状の悪化によって水カビが発生してしまったらメチレンブルーで対処するという使い方になります。

初期症状の治療はもちろん、末期症状の治療もこの方法が最も効果的です。

しかし、いかにこの治療方法が有効でも、末期まで進んだ尾ぐされ病からの生存率は高くありません。

末期まで症状が進むと金魚の体力がかなり落ちているので治療に耐えきれない場合が多いです。

そのため異変を感じたらすぐに治療することが肝心です。早期発見・早期治療を心がけましょう。

尾ぐされ病の治療方法と水温・薬浴期間

尾ぐされ病の治療

ここからは「抗菌剤+塩」の治療水の使い方です。

これは飼育水槽がベアタンクか底砂ありか、もしくは濾過フィルターありか無しかで変わります。

何故ならグリーンFゴールド顆粒などの抗菌剤は、バクテリアも殺してしまうからです。

底砂や濾過フィルターを使用した、バクテリアの育つ環境が整っている飼育水槽の場合は、直接抗菌剤を入れるとせっかく定着したバクテリアが死んでしまいます。

よって薬浴用の隔離水槽を別に用意して、そちらに病気の金魚を移動させます。

ベアタンクの場合はバクテリアの増殖がほぼ見込めないので、飼育水槽に直接抗菌剤を入れて薬浴させて大丈夫です。

ベアタンクの場合の治療方法は、水槽の水を半分ほど換えた後、グリーンFゴールド顆粒などの抗菌剤を規定量溶かして入れます。

さらに、塩分濃度0.3~0.5%になる量の食塩を溶かし入れます。

隔離水槽に移す場合は、先に規定量の抗菌剤と塩を溶かし治療水を作り、病気の金魚を移せばOKです。

隔離水槽で治療している間に飼育水槽を掃除して綺麗にしておきましょう。

そうすることで、病気になりやすい環境を改善できます。

尾ぐされ病の治療には水温管理も大切

尾ぐされ病の治療中の水温は25~26℃ほどに保つようにしましょう。

もし水カビも発生しているようなら、メチレンブルーも適量加えてください。

薬浴は5日〜7日を目安に行います。

その間にヒレが再生してくれば治療が順調に進んでいる証拠です。

治療完了後、ベアタンクの場合は数日間、水を半分ずつ毎日交換して薬の濃度を下げます。

隔離水槽での治療の場合は、治療終了後に飼育水槽に移して完了です。水合わせは丁寧に行いましょう。

以上が尾ぐされ病の治療方法です。

尾ぐされ病は進行が早い上に、末期まで進むと治療が難しくなるので、発見次第すぐに治療するようにしましょう。

尾ぐされ病でヒレが黒くなるのは悪化している?

「ヒレの先が黒くなる」という症状は、一見すると病気の悪化のサインのように感じられるかもしれません。

しかし、ヒレが黒くなる事は必ずしも金魚の健康状態が悪化しているわけではありません。

尾ぐされ病などの回復時に見られるこのような状態を「カサブタ」とも言います。

カサブタは傷ついた状態となったヒレの自然治癒の過程で形成されるものです。

このカサブタが黒く見えることから、ヒレの先端が黒くなったように見えるのです。

尾ぐされ病の回復過程で現れる現象であれば、重大な問題ではありませんが、ヒレが綺麗な状態に戻るまでには数ヶ月かかることもあります。

よって尾ぐされ病が完治したのであれば、通常の飼育環境に戻しても問題ありません。

ただし、ヒレが黒くなることが必ずしも回復状態を示しているわけではないこともあります。

金魚が病気やストレスの影響で体調を崩した結果としてヒレが黒くなることもあるため、ヒレの状態だけを見て判断するのは適切ではありません。

重要なのは、その他の行動や環境を観察し、全体的な健康状態を把握することです。

例えば、尾ぐされ病の治療後に食欲が落ちたり、泳ぎが鈍くなったりといった変化があれば、何らかの問題が発生している可能性が高いと言えます。

このような場合には、水温の管理や水質の見直し、さらには塩分濃度の調整など飼育環境の改善が求められます。

金魚の尾ぐされ病まとめ

  • 金魚の尾ヒレなどのヒレが溶けたように裂けていくのが尾ぐされ病
  • 尾ぐされ病の原因は「カラムナリス菌」という細菌でカラムナリス菌は弱い菌だが、金魚の免疫力が低下すると感染しやすくなる
  • 初期症状はヒレの先端が白く濁り、その周りが充血したようになる
  • 末期症状はヒレが根本まで裂け、ヒレの付け根が赤く充血する
  • 治療には「抗菌剤+塩」が効果的で塩浴のみの治療はあまりお勧めできない。

今回は金魚の尾ぐされ病についてご紹介しました。皆様の金魚飼育の参考にしていただけると幸いです。

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