
金魚の卵の無精卵と有精卵の違いや見分け方から無精卵を見つけた時の対処法などをご紹介いたします。
産まれた卵の様子がおかしい。
なんだか白く濁っている。
なかなか孵化しない。
そんな時はもしかしたら無精卵かもしれません。
卵には無精卵と有精卵があり、無精卵は絶対に孵化しません。
金魚の産卵を迎えるにあたって無精卵の知識もつけておきましょう。
金魚の卵の無精卵とは
産卵時に受精されなかった卵のことを無精卵と呼び、受精した卵のことを有精卵と呼びます。
金魚のメスが産卵をしても無精卵は受精されていない卵なので稚魚が孵化することはありません。
無精卵と有精卵の違いと見分け方
無精卵と有精卵には触感や見た目に違いが現れます。有精卵は触ると張りがありますが、無精卵は柔らかく簡単に潰れてしまいます。
有精卵は20℃以上の水温を維持できれば、2日くらいで黒い点が見えるようになり、日数の経過とともに稚魚の成長が確認できるようになります。
無精卵は1日~2日くらいで臭うようになり、白く濁ってくるので日数の経過とともに有精卵との違いがはっきりしてきます。
無精卵を見つけたら放置はダメ
無精卵は時間の経過とともに臭うようになり、白く濁ると言いましたが、それは腐敗の始まりでもあります。
無精卵は腐敗が始まりカビが生えるので見つけ次第水槽内から取り出すようにしましょう。
また、金魚の産卵後は飼育水が汚れますので無精卵の取り出しとともに水換えも必要となります。
有精卵無精卵問わず金魚の親は産まれた卵を食べてしまいます。
それなら金魚に食べさせてしまえば・・・という考えも起こるでしょう。
しかし、金魚に食べさせればいいという考え方は間違いで腐敗の始まった無精卵を金魚が食べてしまうとお腹を壊したり、病気になってしまう可能性もあるのです。
さらに全ての卵を綺麗に掃除してくれるわけではないので残った無精卵は水質を悪化させてしまいます。
金魚の産卵は1シーズン1回限りではなく数回繰り返されることもあるのでその都度確認と掃除が必要となるのです。
有精卵と無精卵が混ざっている場合には無精卵のみをスポイトなどで吸い取るように排除します。
水草や浮草の根に付着したものであれば水草ごと取り出してピンセットなどで取り除くようにしましょう。
無精卵に生えたカビは放置していると有精卵にも移ってしまいますので早急に取り除く必要があります。
また有精卵であっても成長途中で問題が起こり稚魚が死んでしまうこともあります。
そのような時も卵の免疫力が低下してカビに侵されてしまうこともありますので無精卵を取り除いても有精卵がしっかり孵化するまで見守ることも大切です。
なぜ無精卵が多い?原因と対処法
雌の金魚の単独飼育では雄の金魚がいないので受精ができないため、産卵をしても全ての卵が無精卵となります。
雄雌の金魚を飼育し、繁殖行動が確認できれば産卵された卵は受精している可能性が高くなります。
ただ、雄の金魚がいても雄が成熟していないと卵の受精率は下がります。
金魚は産卵後に沢山の餌を食べるとお腹の中で卵を作りだすスピードが上がり、産卵期間のスパンが短くなると言われています。
よって産卵時期に餌の量を控えることで産卵回数を減らす方法もあります。
ピンポンパールのように体型や遊泳力による繁殖行動の問題が関係していることもあります。
金魚は雌が産卵し、その直後に雄が精子をかけて受精させます。
しかしこの繁殖行動が品種によって苦手な種がおり、どうしても受精率が下がってしまうのです。
濾過フィルターの水流が強めの水槽では遊泳力の弱いピンポンパールなどはさらに受精させ難い環境となってしまいますので産卵時期には水流を弱めたり、障害物となる水草や浮き草などを多めに入れてあげるようにすると良いでしょう。
他にも雄と雌の相性というものもありますので雄雌一匹ずつのような飼育スタイルよりも雄雌の数を増やした方が受精率が高まります。
ただその方法は飼育環境により水質が悪化しやすくなるというリスクもありますのでしっかりとした検討が必要になってきます。
金魚の無精卵と有精卵まとめ
- 金魚が産卵をしたら有精卵と無精卵の判別が必要で無精卵の場合には早急に掃除を行い水質悪化を予防する。
- 無精卵を減らすには成熟した雄と雌が必要で雌の単独飼育では無精卵が産まれてくることは仕方ないものと認識する。
- 産卵時期には水槽の掃除がつきものという認識を持ち、底砂を入れないなど掃除がしやすい飼育スタイルを取る方法もある。
- 雄雌の相性も考慮し、種類によっては飼育環境が無精卵の数を増やしてしまう原因にもなるので飼育環境の見直しを行う。
- 金魚の産卵時期には有精卵無精卵問わず、金魚の産卵や卵の管理方法をしっかりマスターして正しい世話を行うことが大切。