金魚が卵を産み付ける産卵床とは?産卵床は自作できる?

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金魚の産卵床

金魚が卵を産み付ける産卵床って何?

どんなものが産卵床になるの?

産卵床は自分でも自作できる?

100均の材料でも産卵床は自作できる?

こんな金魚の産卵に必要な産卵床についてご紹介いたします。

金魚が卵を産み付ける産卵床とは

産卵床(さんらんしょう)とは、生き物が卵を産み付ける場所のことを言います。

金魚の場合は水草などです。

産卵床が無くても金魚は産卵できますが、産卵床は必ず用意することをおすすめします。

金魚を増やすつもりがない場合でも、金魚の産卵時期には産卵床を用意しましょう。

理由は次の4つです。

  • 卵の回収が簡単
  • 卵を採卵し、他の水槽に移すのが楽
  • 無精卵が減り卵の受精率が上がる
  • 水槽の水質を悪化させないため

産卵床がない状態で金魚が産卵してしまうと、産卵した卵が水槽内にばら撒かれてしまいます。

散らばってしまった卵を回収するのはかなり大変です。

金魚は1,000個近くの卵を産みますので、それだけの数の卵を網やスポイトで回収すると思うと、想像するだけでゾッとします。

産卵床を入れておけば、金魚は産卵床に卵を産み付けます。

あとは産卵床を回収すれば卵を簡単に回収できます。

回収した産卵床には卵がまとまって付いていますので採卵するのも楽です。

産卵床が無く、卵がそこかしこに散らばって産み付けられるとオスの精子がかからない卵が多く出て、受精率が下がり、無精卵の割合が多くなります。

無精卵はそのまま放置するとカビたり腐ったりして水質を悪化させる原因となりますので必ず回収しなくてはいけません。

産卵床を入れておけば、卵は産卵床にまとまって産み付けられるので、オスの精子がまんべんなく沢山の卵にかかります。

そうすることで受精率が高まり、受精卵の割合が多くなるので、効率よく繁殖させることができます。

産卵床には以上のような役割があるので、金魚の繁殖を考えている場合はもちろん、繁殖をさせない場合でも、産卵の兆候が見られたら産卵床を用意しましょう。

どんなものが産卵床になるのか

金魚の産卵床になるのはどのようなものでしょうか?

大きく分けると、「天然の物」と「人工物」があります。

天然の物で金魚の産卵床になるのは次のような物です。

  • シュロ
  • マツモ
  • ホテイ草
  • アナカリス

ヤシ科のシュロが産卵床に使われているのをよく目にすると思います。

シュロは熱帯魚屋さんなどに売っていますし、ご自身で採ってきて使うこともできます。

採ってきて使う場合はアク抜きをしてから使ってください。

マツモなどの水草は水質の向上にも一役買うのでおすすめです。

マツモやアナカリスは丈夫なので、どの水草を入れようか迷ったらこのどちらかを選ぶといいでしょう。

そのまま浮かべておいても良いですし、重りを付けて沈めておいても良いです。

丈夫で扱いやすく金魚との相性が良いマツモやアナカリス、カボンバなどを総称して金魚藻と呼びます。

余談ですが、浮くタイプの産卵床だけでなく、沈むタイプの産卵床も入れておくと卵の採り逃しが少なくなります。

浮くタイプの産卵床を入れていても水底に卵が落ちているケースが多々あります。

なので、水底に沈み込ませる産卵床も同時に入れておくと卵の回収が容易になります。

話を水草に戻します。

ホテイ草の根も優秀な産卵床になります。

ホテイ草は株がどんどん増えますし、根っこもかなり長く伸びるので、たくさんの卵をキャッチすることができます。

ですが、屋内飼育の場合ですとかなり日当たりが良い場所に水槽を置かないとホテイ草の十分な成長が促せず、枯れてしまうことがあります。

よってホテイ草は屋外飼育の産卵床に使う方がいいですね。

屋内飼育ではマツモやアナカリスなどの水草が産卵床としておすすめです。

次に、人工の産卵床です。

天然と人工の物を比べると、天然の方が金魚にとっては良い気がしますよね。

ですが、人工の産卵床にしかないメリットというものもあります。

人工の産卵床は天然の産卵床に比べて耐久力が優れています。

そのため何回も繰り返し使うことができます。

また、メンテナンスも簡単です。

このように人工の産卵床はコストパフォーマンスに非常に優れています。

金魚の人工産卵床としてキョーリンの「人工産卵藻」がよく知られています。

ですが、メーカーが販売している金魚用の人工産卵床の種類は少なく、一般的な熱帯魚屋さんで見つけることは難しいでしょう。

それでは、人工の産卵床の使用を諦めるしかないのでしょうか。

そんなことはありません。

実は人工の産卵床は自分で簡単に作ることができます。

産卵床は自分でも自作できる

金魚の人工産卵床の既製品はなかなか見つかりません。

そのため、既製品をあちこち探し回るよりも、自分で作ってしまった方が簡単ですし安上がりなのでおすすめです。

自作の金魚の人工産卵床としてよく使われるのが、ビニール紐です。

簡単に作り方を説明します。

まず用意するのは、幅広のビニール紐。横幅10cm、縦20~30cmほどのダンボール板。そしてハサミと重り、お湯の入ったボールです。

まず、ダンボールの縦方向にビニール紐を4~5回巻きつけます。

ちなみにビニール紐が巻きつけられるのならば、ダンボール板でなくても大丈夫です。

ご自宅にある手頃なものを使ってみてください。

巻き付けた片方の端を、細くねじったビニール紐で結びます。

この結んだ方に重りを付けます。

水草を沈める用の巻き付ける重りを使っても良いですし、釣り用の重りでも大丈夫です。

ビニール紐が沈む程度の重さのものを括り付けておきましょう。

次に、もう片方の端をハサミで切り離します。すると、切り離した側はビニール紐がヒラヒラとバラけた状態になります。

この切り離した側のビニール紐に、5mm間隔くらいで切り込みを入れます。

切り込みから反対側の結んである側まで、手でビニール紐を裂いていきます。

次に、クシを使って、結んである方から切り離した方に向かってビニール紐をとかしていきます。クシでとかすことで、ビニール紐をさらに細かく裂くことができます。

ある程度細かくしたら、最後にお湯の入ったボールにビニール紐を入れます。

こうすることで、ビニール紐がクシャクシャになり、卵がより付きやすくなります。

後は水で冷まし、水気を切って1日乾燥させれば完成です。

この他、毛糸や園芸用ネットなどを使って作る方法もあります。

身近な物でも工夫次第で立派な産卵床が作れるので、ぜひチャレンジしてみてください。

100均の材料でも産卵床は自作できる

金魚の産卵床は、100均で手に入る材料でも十分に作る事ができます。

例えば、100均に売っている防風ネットです。

目の細かい防風ネットをざっくりと1~2cm幅程で切ります。

長さは30cmほど。これを5つほど束ねて、真ん中あたりをビニール紐や輪ゴムなどで止めて、止めたところから半分に折れば完成です。

先程ご説明した、ビニール紐の産卵床と同じ形になります。

このまま水槽に入れても良いのですが、止めた部分に浮きを付けても良いですね。

100均のセリアには、メダカの産卵床キットが売っています。

浮きとスポンジが別々に売られているので、この浮きを使うと良いでしょう。

先程の切って束ねた防風ネットの束ねて止めた部分を浮きの輪っかに通して、結束バンドなどで浮きに固定すると、簡単に浮くタイプの産卵床ができます。

他にも100均に売っているホコリ取りも産卵床にできます。

持ち手の部分を切り離し、先端のフワフワしたホコリを取る部分だけをそのまま水槽内に沈めます。

浮いてきてしまう場合には重りを付けて沈めましょう。

これだけで完成です。

このように、100均に売っている材料だけでも十分に産卵床を作ることができます。

そのような場合にはメダカの産卵床というものが色々販売されていますので利用してみると良いでしょう。

金魚の産卵床についてまとめ

  • 繁殖させる、させないにかかわらず産卵床は用意する
  • 産卵床があると受精率が上がるうえ、卵の回収も容易になる
  • 産卵床はビニール紐などを使って作ることができる
  • 100円均一の材料でも十分に産卵床が作れる

今回は金魚の産卵床の必要性と産卵床の種類、産卵床の自作方法についてご紹介しました。皆様の金魚飼育の参考にしていただけると幸いです。

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