出目金、和金、琉金の三種は金魚すくいやペットショップでもよく見かける金魚なので、金魚飼育初心者の人でも入手しやすく、飼いやすい金魚です。
出目金の飼育はそれほど難しいものではなく、金魚の中でも丈夫な種類なので、初心者向きの金魚と言えます。
出目金は琉金の突然変異によって目が飛び出したものを固定化した品種ですので、基本的な飼い方は琉金と同じで問題ありません。
よって基本的な飼い方はここでは詳しく説明せずに、出目金飼育で特に気をつけたい点に焦点を絞り、一歩踏み込んで説明していきます。
出目金の基本的な飼い方は他の金魚と変わりませんが、特に気をつけたいことは、水温・エサやり・混泳です。
この3つのことをしっかり理解し、守っていくことで出目金を長生きさせることも可能となるでしょう。
出目金に最適な水温
出目金に限らず金魚の水温管理は高過ぎず、低過ぎず、そして急変過ぎずが基本です。
金魚は熱帯魚などよりも日本の環境に適応できる生き物ですので、種類や年齢によっては屋外で越冬することも可能です。
しかし、適応できる水温の範囲が広いと言っても、それは絶えることのできる水温であり、飼育に適した水温ではありません。
特に出目金のように品種改良によって生まれた金魚は和金などに比べると、水温の変化に弱い面があり、耐えられる温度幅も狭くなってきます。
出目金に最適な水温は20℃〜28℃くらいですので、水温が下がる時期にはヒーターを使用し、水温を維持してあげることが望ましいのです。
逆に水温が上がり過ぎる夏場には、水槽用冷却ファンや照明のリフトアップなどで水温上昇の対策を施します。
また、最適な水温を保つことは大切なことですが、それ以上に急激な水温の変化は出目金に多大なストレスとダメージを与えることも覚えておかなければなりません。
急激な水温の変化を起こす要因は多いもので、水替えによる変化、外部環境による変化、意図的な変化があります。
水換えによる変化とは、水換えのために水道水を水槽にそのまま投入することにより、水槽の水温と水道水の水温の違いから起こるものです。
水換えは必ず汲み置きをしておき、水温を同じにしてから行うようにします。
真夏の日中に直射日光の当たる場所に水槽を置いておくとどんどん水温は上昇していきます。
これが、外部環境による変化であり、出目金を飼育している容器の水量が少ないほど、この影響を強く受けることになります。
冬場も同じく、水量の少ない金魚鉢などで飼育していると朝の冷え込みが厳しい日などには思いがけない低水温になっていることがあります。
飼育経験の浅い初心者の人ほど、「手軽に始められる」、「おしゃれでかわいい」、「世話が楽そう」などの理由から小さな金魚鉢などで飼育を始めがちですが、実はそのような小さな容器の方が水温の変化が激しく、管理が難しいものなのです。
水量の少ない容器は水質の悪化も早いなど、他にも飼育を難しくする要素はありますが、ここでは割愛します。
水量の少ない小さな容器は飼育難易度を自然と高めることとなり、熟練者ほど水量には気を配るものなのです。
よって飼育経験の浅い人ほど、水量の多い60cm水槽などを用意してヒーターを設置したほうが上手に水温管理ができ、うまく育てることができるようになります。
最後に、意図的な変化とは上がり過ぎた水温を下げる時や、上がり過ぎた水温を下げる時の対策になります。
自然界とは違い、金魚の飼育では限られた水量の中で飼育されている以上、外部環境の影響を受けて飼育適正水温から大きく逸脱してしまうこともあります。
そんな時は適切な方法で適正水温に近づけてあげることが大切ですが、方法を誤ると急激な水温変化となり、出目金にも負担となってしまうのです。
やってはいけない水温の下げ方と上げ方
まず、水温が高い時に氷を水槽に投入したり、冷たい水を投入することは絶対にNGです。
また、エアコンの温度を極端に下げて短時間で室内を冷え冷えにするような対策も望ましくありません。
基本は急激に水温を下げなければ危ないと感じるほど水温が上がる前に対策を打っておくことですが、最悪上がり過ぎてしまったときは、ゆっくり水温を下げるようにします。
方法としては熱源となる蛍光灯などを一時的に消したり、リフトアップして水面に風を当てるようにします。
水槽用冷却ファンや小型扇風機などの併用も効果的です。
締めきった部屋であれば窓を開けて換気をしたり、日当たりの良い部屋であればカーテンを閉めるなど、室内の温度が上がらないようにする対策も効果的です。
さらには窓の外にシェードやよしずなどを設置するのもいい方法ですね。
水温が低過ぎて上げたい場合には、やはりお湯を投入するなどの方法はNGです。
水槽用のヒーターを設置すれば、水温の維持は容易なはずです。
室内エアコンでも水温をあげることは可能ですが、みんなが寝静まる夜中にエアコンを切ってしまったら、明け方の一番冷え込む時間帯に水温は低下します。
人がいる時間には暖まる、夜中から明け方にかけては冷え込むといった感じで1日のうちに水温が変化しすぎるのも出目金に負担をかけることになるのであまりお勧めできません。
出目金のエサやり エサの量とタイミング
ペットショップなどで見かける金魚のエサは思っている以上に多いもので、初めて金魚のエサを選ぶ人にとってはどのエサが出目金にとっていいエサなのか迷ってしまうはずです。
結論から言うと金魚はどんなエサでもよく食べてくれるので、金魚のエサとして売られているものであれば大抵問題ありません。
ただ、エサを選ぶうえで気にかけたいのが、エサの大きさと沈下性か浮遊性かです。
成魚と稚魚では口のサイズも違いますので、飼育している金魚の大きさに合わせたエサのサイズにしてあげるようにします。
沈下性と浮遊性のエサに関しては、浮遊性のエサの方が食べ残しの確認がしやすいうえに底に溜まることがなく、水を汚しにくいので人気です。
しかし、出目金や琉金のように体型が丸い金魚は、水面に浮いているエサを食べるときに空気も一緒に飲み込んでしまい、ガス病になる事例もありますので、その点から考えると沈下性のエサの方が安心です。
与えるエサの量は、いろいろな説があり、2分〜3分で食べきれる量や5分で食べきれる量などと言われていますが、そんなに時間に固執する必要は無いと私は考えています。
時間を目安としている理由は、あまり与え過ぎずに控えめに与えるためだからです。
金魚は胃袋がないため満腹感を感じないようで、エサを与えれば与えるだけ食べてしまいます。
エサをたくさん食べれば健康になると言うわけではなく、適度な食事が健康を維持することは人も金魚も同じです。
食べ過ぎは腸への負担が大きくなるうえに消化不良を起こすこともあります。
また、出目金や琉金などの丸型体型の金魚はエサの食べ過ぎにより転覆病になりやすいと言った話もよく聞く話です。
さらにはたくさん食べればそれだけ糞も沢山しますので水は汚れやすくなります。
出目金がエサを食べている姿を見るのは飼育の中でも楽しみの一つですが、そのエサやりが本当に出目金にとっていいことなのかを考えて与えるようにしましょう。
出目金へのエサやりの基本は少ないかな?くらいの量で回数を分けて与えることです。
また、ヒーターで温度管理した水槽であれば1年中食欲にも変化はないですが、気温の変化とともに水温も変化するような環境で飼育しているのであれば、季節によってエサの量も調整しなければなりません。
活発に活動する春や秋はエサを沢山与えても良いのですが、気温が上がり過ぎて少々バテ気味の時や、気温が下がり過ぎて活動が鈍っている時にはあまりエサを与えすぎると消化不良を起こしやすくなりますので、エサの量を控えるなどの対応が必要になります。
いずれにしろ、出目金を毎日しっかり観察し、健康状態を見ながらエサの量や回数を調整できるようになることが大切です。
各ヒレをピンと伸ばし、活発に泳ぎ、エサをよく食べていれば健康な証拠です。
逆に少しでも調子が悪そうであれば、無理にエサを与えずに、まずは換水を行い、2日〜3日はエサを断つようにします。
次にエサを与えるタイミングですが、エサを与えるタイミングは暗くなる2時間〜3時間前までには与え終えるようにします。
というのも金魚は暗くなると眠るため、消化機能も低下します。
そのため、寝る前に食べてしまうと消化不良を起こしやすくなりますので、朝起きてからエサを与え、1日数回与えますが、暗くなる前には与え終えるようにしたいのです。
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出目金との混泳
琉金のような体型からもわかるように、出目金は泳ぎがゆっくりなので、和金などの素早い金魚と混泳するとエサにありつけないことがあります。
また、和金などのように動きが早く、活発的な種類の金魚との混泳は思いがけない衝突事故により、デリケートな目にダメージを受けたり、希にですが、気の荒い金魚に突かれたりすることもあります。
出目金の魅力とも言える大きく飛び出した目は体の中でもデリケートな部分ですので、他の金魚以上に目へのダメージに気を配らなければなりません。
金魚すくいなどでよく見かける和金と出目金ですが、実は混泳には不向きであるという事をしっかり理解して、別々の水槽で育てるようにしましょう。
出目金と混泳させるのであれば、出目金同士か同じ体系の琉金、ピンポンパールなどがおすすめです。
また、混泳以外にも気をつけたいものがあり、硬いオブジェや角のある置物などはレイアウトに配置しないことが望ましく、さらには作り物の水草なども出目金にとっては障害物となりますので極力避けたいものです。
もし、水槽内が殺風景で寂しいのであれば柔らかい本物の水草を入れるようにしましょう。
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