金魚の腹水病の症状とは?腹水病は治らない?見分け方と治療法

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金魚の腹水病の症状とは?腹水病は治らない?

金魚の腹水病の症状とは?

金魚の腹水病の見分け方とは?

金魚の腹水病は治らない?

金魚の腹水病の治し方とは?

こんな金魚の腹水病に関する疑問についてご紹介いたします。

金魚の腹水病の症状とは?

金魚のお腹が大きく膨らむ病気に腹水病というものがあります。

腹水病とは一体どのような病気なのでしょうか?

また、何が原因で発症するのでしょうか?

腹水病とはその名前の通り、金魚のお腹の中(腹腔)に水が溜まる症状を言います。

腹水病は内臓疾患を起因として発症する病気です。

金魚が内臓疾患を起こしてしまう要因には次のようなものがあります。

  • 餌の食べ過ぎ
  • 古い餌を食べた
  • 水温低下時の給餌
  • 水質悪化などのストレス
  • 内臓への細菌感染

餌の食べ過ぎや古い餌を食べてしまうことで内臓がダメージを受けてしまい、餌が上手く消化できず便秘となり、悪化してしまうと腹水病を発症するケースがあります。

餌は適量を与え、開封から時間が経った餌は与えないようにしましょう。

金魚を屋外で飼育している際に気をつけたいのが水温低下時の餌やりです。

水温が10℃近くまで下がると金魚の食欲は落ち、消化器官の働きが鈍ります。

このような消化器官の働きが落ちた時に餌を与えてしまうと、上手く消化できずに内臓疾患を引き起こしてしまいます。

特に春先は日中と朝晩の気温差が激しいので、餌を与えるタイミングを間違えないように注意しましょう。

日中の気温が高い時間帯に餌を与えると安心です。

水質悪化によるストレスは内臓にダメージを与えます。

また、免疫力が下がり様々な病気に罹りやすくなり、その病気が原因で腹水病を発症することがあります。

内臓に感染することで腹水病を引き起こすとされているのがエロモナス菌という細菌です。

エロモナス菌は水の中に常に存在する常在菌で、正常な免疫力の金魚には感染しません。

しかし、水質悪化などが原因で免疫力が低下すると感染し、病気を発症します。

通常エロモナス菌は金魚の体表に感染し、赤斑病や穴あき病を引き起こします。

そんなエロモナス菌がなんらかの原因で金魚の内臓に感染すると松かさ病を発症します。

この松かさ病の病状が進んだ時に腹水病も同時に発症することがあるのです。

このように金魚の腹水病は様々な原因によって引き起こされます。

金魚の腹水病の見分け方とは?

金魚の腹水病の見分け方

金魚のお腹が膨らむ原因は腹水病以外にもいくつかあります。

では、腹水病とその他のお腹が膨らむ原因との見分け方はあるのでしょうか?

金魚のお腹が膨らんでしまう原因には、餌の食べ過ぎや便秘などがあります。

パッと体型を見ただけでは判断が難しいですが、腹水病の特徴的な症状が現れているかどうかを観察する事で、ある程度見分ける事が可能です。

腹水病の特徴的な症状は以下の二つです。

  • 白くて細長い糞をする
  • 餌を食べなくてもお腹が膨らむ

白い糞を出すときは消化不良を起こしている証拠です。

この事から内臓にダメージを負っていることが分かります。

また、糞が細長くなってしまうのはお腹の中が腹水で圧迫されているからです。

このような糞を出す時には腹水病を発症している可能性が高いです。

また、腹水病の場合は餌を食べなくてもお腹が徐々に大きくなっていきます。

これが食べ過ぎや便秘でお腹が膨らむ時との違いです。

以上のように、金魚の腹水病の特徴的な症状が現れているかどうかを観察することで、他のお腹が膨れる症状との見分けをつける事ができます。

ただし、他のお腹が膨らむ症状と腹水病が併発した場合には見極めは困難になります。

例えば、松かさ病に腹水病が併発した場合、松かさ病の症状に腹水病の症状が隠れてしまい、腹水病に気付かないケースが多くあります。

このように、腹水病だけを発症していれば見分けることもできますが、他の病気も一緒に発症している場合には腹水病に気づけないケースも少なくありません。

腹水病以外のお腹が膨らむ原因に対しての治療を行っても治りが悪い場合には、腹水病を併発している可能性も視野に入れましょう。

金魚の腹水病と過抱卵は違う

金魚のお腹がパンパンに膨らんでしまう症状の1つに「過抱卵」という症状があります。

この過抱卵と腹水病は違う病気なのでしょうか?

過抱卵も腹水病も徐々にお腹が膨らんでいき、そのまま放置すると金魚が死んでしまうという点では同じです。

しかし、過抱卵と腹水病は全く別の病気で、発症する原因も異なります。

過抱卵とは、卵が排出されずにお腹の中に溜まってしまう症状の事です。

卵詰まりと呼ばれる事もあります。

そのため、メスの金魚にしか発症しません。

一方の腹水病はお腹に水が溜まってしまう症状で、オスメス関係なく発症します。

このように、お腹が膨らむという症状は同じですが、発症原因には違いがあります。

オスの金魚であれば過抱卵は発生しないので、腹水病の判断はつきやすいでしょう。

しかし、メスの金魚の場合には過抱卵か腹水病か判断しなくてはいけません。

では、どのようなポイントを見て判断すれば良いのでしょうか?

それは次の3点です。

  • 元気に泳ぎ回っているか
  • 餌は通常通り食べているか
  • 糞は出ているか

過抱卵の場合、余程の末期症状にならない限り、通常の金魚のように元気に泳ぎ回り、餌を食べ、普通の糞をします。

一方の腹水病の場合には、元気が無くなりジッとしている事が増えます。

また、餌もあまり食べません。糞は白く細長い糞を出すようになります。

以上のように、見た目は同じでも金魚の状態を見て過抱卵か腹水病かを判断することが可能です。

金魚の過抱卵でも寿命は縮む

金魚の過抱卵がすぐに金魚の死に繋がる訳ではありませんが、過抱卵が起これば雌の金魚に大きな負担がかかることは事実です。

また、そのまま放置しておくとお腹が破裂して死んでしまうこともありますので、見つけ次第すぐに対処するようにしましょう。

金魚の腹水病は治らない?うつる?

金魚の腹水病は治らない?

金魚の腹水病が末期まで進行してしまうと治すことは難しくなってしまいます。

ただ、初期症状で腹水病を見つけ、治療することができれば腹水病も治らない病気ではありません。

どんな病気でもそうですが、早期発見、早期治療が回復の鍵となってきます。

金魚の腹水病はうつる?

飼育水槽内の金魚の1匹が腹水病を発症した場合、他の金魚にも腹水病はうつってしまうのでしょうか?

結論から言うと腹水病は他の金魚にはうつりません。

腹水病は内臓疾患が発症原因であるという事からも分かる通り、感染性がある病気では無いため他の金魚にうつる心配はありません。

ですが、腹水病の金魚が1匹発生すると、2匹3匹と腹水病の金魚が現れることがあります。

これは何故なのでしょうか?

このように腹水病の金魚が複数匹出るのは、腹水病がうつっているのではなく、飼育環境が腹水病を発症しやすい環境になっているためです。

餌の与えすぎや水質悪化、水温の急変など、金魚の内臓にダメージを与えてしまう飼育環境になっている事が原因で、金魚が腹水病を発症しやすくなっているのです。

なので、これらの状況を改善してあげれば腹水病の発症を抑えられます。

腹水病の金魚が現れると言うことは飼育環境が悪化しているサインでもあるので、これを機に飼育環境を整えてあげましょう。

金魚の腹水病の治し方とは?

金魚の腹水病の治療方法

金魚が腹水病を発症した場合、どのように治療すれば良いのでしょうか?

腹水病にはこれといった特効薬は無いため、対処療法となります。

初期の腹水病であれば水換えや塩浴で治ることもあります。

しかし、あまりお腹が膨らんでいない初期段階で腹水病と確定判断するのはとても難しいものです。

多くの場合、お腹がパンパンに膨らんでから「もしかして腹水病かも?」と気づくケースがほとんどでしょう。

このように、明らかな症状が現れるまで進行した腹水病は、「薬浴と塩浴の併用」で治療します。

腹水病に使う薬は、「グリーンFゴールドリキッド」や「グリーンFゴールド顆粒」、「観パラD」などの抗菌剤入りの薬です。

さらに、塩分濃度が0.5%になるように塩も入れます。

塩を入れることで金魚の新陳代謝を高め、自己治癒力を向上させる効果が期待できます。

治療の流れは次のとおりです。

  • 腹水病の金魚を隔離容器に隔離する
  • 計量カップなどに薬と塩を入れ治療水を作る
  • 治療水をゆっくりと隔離容器に入れる
  • 水温は25℃~28℃ほどにする
  • 金魚の状態に合わせて水換えを行う
  • 治療期間は1週間が目安

まずは腹水病の金魚を隔離容器に移します。

この時、飼育水を半分ほど隔離容器に入れ、残り半分はカルキ抜きした新しい水を入れます。

また、本水槽と隔離水槽で水温差が生じないように注意しましょう。

次に、計量カップなどに飼育水を入れ、そこに規定量の薬と塩を入れて溶かし治療水を作ります。

できた治療水は徐々に隔離容器に入れてきましょう。

全量の1/5程度の治療水をゆっくりと隔離容器に入れ、10分待ちます。

金魚の様子が変わらないようなら、また1/5程度入れて10分待つ。

これを繰り返して治療水を徐々に隔離容器に入れていってください。

一気に治療水を入れると急激な水質変化が起こり、金魚にとどめを刺すことになりかねないので注意しましょう。

水温は25℃~28℃の範囲でキープします。

もし、元々の飼育水の水温がこれよりも低かった場合には、1日に1℃~2℃を目安に徐々に水温を上げるようにしてください。

治療期間中の水換えは金魚の様子を見ながら調節して行います。

金魚の元気がある場合には毎日全部の水を交換してしまって構いません。

この時、新しく換える水には規定量の薬と塩をあらかじめ溶かしておきましょう。

また、水を換える際は一番最初の時のように徐々に水を入れていく必要はありません。

何故なら、すでに金魚が治療水の水質に慣れているからです。

ただし、水温はしっかり合わせてから水換えしてください。

金魚が弱っている場合には、2日~3日に1回のペースで隔離容器の全水量の1/3程度を水換えします。

かなり金魚が弱っているようなら、毎日1/5以下の少量の水を換えるようにして、負担を減らしてあげると良いですね。

このように、金魚の様子を見ながら水換え頻度と量を調節してみてください。

治療期間は1週間が目安です。治療が終わったら真水に慣らしてから本水槽に戻しましょう。

慣らし方は、隔離容器内の治療水を毎日1/5程度ずつカルキ抜きした真水と交換していきます。

5日間繰り返すと隔離容器内の水がほぼ真水に戻るので、金魚だけ掬い本水槽に戻してあげましょう。

以上が金魚の腹水病の治療方法です。

金魚の腹水病は致死率が高いため、治療しても必ず助けられるわけではありません。

ですが、早期に発見するほど完治率が高まるので、腹水病の症状が見られた金魚はすぐに治療を開始してあげてください。

金魚の腹水病まとめ

  • 金魚の腹水病は餌の食べ過ぎ、古い餌を食べた、水温低下時の給餌、水質悪化などのストレス、内臓への細菌感染など様々な要因が引き金となって発症する。
  • 金魚の腹水病の特徴的な症状は白くて細長い糞をする、餌を食べなくてもお腹が膨らむなどが挙げられる。
  • 金魚の腹水病は感染症ではないのでうつることはないが、発症原因が飼育環境に残っていれば他の金魚が発症することもある。
  • 腹水病に使う薬は、「グリーンFゴールドリキッド」や「グリーンFゴールド顆粒」、「観パラD」などの抗菌剤入りの薬。

今回は金魚の腹水病に関する疑問についてご紹介しました。皆様の金魚の治療の参考にしていただけると幸いです。

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