東錦(アズマニシキ)の特徴と飼い方
東錦(アズマニシキ)は日本で作られた品種であり、三色出目金とオランダシシガシラの交配種です。
昭和初期に関東地方で作出され、一部の愛好家によって親しまれてきた金魚で、体型はオランダシシガシラと同じでやや角張った頭部に見事肉瘤ができます。
体色は三色出目金の系統で藍色をベースに赤と黒が入り混じった雑色で透明鱗が見られます。
数多い品種の中でも特に美しい金魚の一つで愛好家も多いのですが、初心者には飼育が難しい金魚の仲間と言えます。
品評会などの評価基準として一般的には肉瘤がよく発達し、藍と赤の配色が美しく、そこに黒の斑点が程よく散らばっているもの、そして尾びれがあまり垂れ下がっていないものが優秀魚とされています。
しかし現在販売されているアズマニシキのほとんどは日本国内や中国の養殖場で大量に養殖されているもので昭和初期に作出され、多くの愛好家によって愛されていた頃の本来のアズマニシキとは体色や体型が随分変わってしまっています。
東錦の近縁種 桜東(サクラアズマ)

桜東(サクラアズマ)とは東錦(アズマニシキ)から黒い色素が抜けた更紗のモザイク透明鱗の品種でアズマニシキとオランダシシガシラとの交配によって作出されました。
このサクラアズマという品種名の由来はサクラニシキと同じ更紗の色彩を持っていることに由来します。
東錦の近縁種 江戸錦(エドニシキ)

アズマニシキの人気の陰に隠れてしまった改良品種にエドニシキがあります。
エドニシキはランチュウの体型に透明鱗のアサギ色の体色を取り入れた改良品種の金魚ですがアズマニシキのように多くの愛好家に育成されるということがなかった為、なかなか改良が進まずこれまであまりよい個体は見られませんでした。
最近では中国からエドニシキと同じタイプの金魚が輸入され、その中には日本で生産された個体以上の品質を持つものも見られるようになってきています。
東錦の飼い方
東錦の飼育で水質などにおいては初心者向き金魚同様にあまり神経質にならなくても大丈夫ですが、その体型からも読み取れるように泳ぎがあまり得意ではありませんので泳ぎの得意なフナ型の和金やコメットなどと一緒に飼育すると餌にありつけないこともあります。
よって東錦を飼育する際には単独飼育が望ましいでしょう。
また水流に対してもあまり強い水流は体力の消耗と体への負担を大きくしてしまいますので緩やかな水流の中で飼育してあげるようにしましょう。
東錦に限らずこのような体型の金魚は水流とともに水深についても気を使ってあげる必要があり浅めの水深になるような容器での飼育を心がけましょう。
東錦の特徴・飼い方まとめ
・東錦(アズマニシキ)は日本で作られた品種であり、三色出目金とオランダシシガシラの交配種。
・数多い品種の中でも特に美しい金魚の一つで愛好家も多い。
・東錦は金魚飼育初心者には少々飼育が難しい品種。
・東錦を飼育する際には単独飼育が望ましい。
・泳ぐがあまり得意ではないので緩やかな水流で育てる。
今回は東錦の特徴と育て方についてご紹介しました。皆様の金魚飼育の参考にしていただけると幸いです。