
らんちゅうを屋外で飼育していると室内では考えられないようなリスクにさらされることがあります。
野生の猫やタヌキ、イタチに襲われてらんちゅうが食べられてしまうことがあり、さらに近年はアライグマのような害獣による被害も多く報告されています。
こうした外敵による被害は、飼い主が気づかないうちに夜間に起きていることも多く、朝になって初めて惨状を目にするというケースが後を絶ちません。
アライグマは北アメリカ原産の外来種で、北は北海道から南は九州まで日本全国に分布しており、その数も増え続けています。
夜行性で群れを作って生活し、水辺を好む傾向があります。
雑食性で野菜や魚なども食べ、木登りも得意なため、防獣ネットを簡単に登って侵入することもあります。
可愛らしい見た目に油断しがちですが、金魚飼育者にとっては深刻な脅威です。
カラスの特性と侵入経路を知る
カラスは日本全国に分布している真っ黒の鳥で大変頭が良く雑食性です。
クチバシが短いため水深のある場所の金魚には届きにくいもののらんちゅうのように水深の浅いトロ舟で飼育している場合は被害を受けやすいのが特徴です。
また、いたるところに群れで多く生息しているため、被害に遭いやすい外敵のひとつと言えます。
カラスは目が良く、遠くかららんちゅうを観察して人がいないタイミングを見計らって食べてしまいます。
都会でゴミをあさっているイメージが強いですが、カラスがあまりいない環境だからといって油断は禁物です。
サギ類も見落とせない鳥類の天敵
カラスと並んで警戒が必要なのがサギ類です。
サギは眼が非常に良く、上空からもらんちゅうを見つけることができます。
細長いクチバシを水中に入れて素早く捕獲し、大きくて口に入らない場合はクチバシでハサミのように魚体を切り離してしまうこともあります。
ゴイサギだけは夜行性のため、夜間に被害が発生するのが特徴です。
ゴイサギは人の気配を感じると飛び上がらずに物陰に隠れてやり過ごすほど警戒心が強く、発見しにくい外敵です。
猫による被害の実態
猫は動いているものを狩る狩猟本能から、金魚を狙います。
屋外で飼育していた金魚が野良猫に食べられてしまったというケースは非常に多く報告されています。
猫は聴覚が優れているため、水槽のエアレーションの音によっても察知されてしまうことがあります。
また、ペットとして飼育されている猫でも金魚を狙うことがあり、食べるというよりもおもちゃにして遊ぶうちに死なせてしまうケースも見られます。
野良猫は意外と頭が良く、ネットを掛けた容器でも自ら手でネットを開けてしまい、そこから侵入してらんちゅうを狙う場合もあります。
一度侵入の方法を覚えてしまった猫は繰り返し同じ場所を狙うため、早めの対策が肝心です。
防獣ネット・フタによる物理的な遮断
最も確実で基本的な対策は、飼育容器を物理的に覆ってしまうことです。
目の細かい金網を利用することで、鳥がクチバシを水槽の中に入れることができなくなります。
フタをすることによってくちばしを水槽の中に入れることができなくなるため、カラスや猫対策の両方に効果的です。
ネットの選び方にも注意が必要です。
目の粗いネットではサギ類のクチバシが容易に入ってしまうため、目の細かい緑色の防獣ネットをホームセンターで購入して二重に被せ、クリップで固定したうえで、はみ出た部分にブロックを載せて固定する方法が効果的で費用も数千円程度で済みます。
アライグマは木登りが得意で防獣ネットを簡単に登って侵入するため、天井まで完全に囲い、餌やりや水換え以外は閉じておく必要があります。
フタは軽いものだと動物に簡単に外されてしまうため、金属製で固定できるフタや防獣ネット、とげマット、忌避剤などを組み合わせることで、力の強い哺乳類に対しても入念な対策が可能です。
テグスや反射テープによる鳥対策
ネットを張ることが難しい庭池などの場合には、テグス(釣り糸)を活用する方法があります。
カラスの飛び方をよく観察して、滑空するコースを邪魔するように細いテグスを縦横に張ることで、カラスが危険と感じて近づかなくなります。
池の真上に枝がある場合はそこに一度止まってから降りてくるため、その枝にテグスを張るのが特に効果的です。
また、鳥よけのメタルテープをねじって池の上に何本か渡す方法も有効です。
裏と表が違う色になっているテープを風でキラキラと光らせることで、鳥が近づかなくなる効果があります。
飼育環境の配置で被害を減らす工夫
人の目が届かない場所で金魚を飼育すると知らないうちに猫などに食べられてしまいます。
なるべく玄関近くなど人目の届く場所で飼育するほうが、水槽の異変に気づきやすくなります。
また、水槽の周りに物が置いてあると猫がその物を台として乗り上がり、そこから金魚を狙うことがあるため、飼育容器の周囲にはなるべく物を置かないようにすることも大切です。
超音波式撃退器や防犯カメラの活用
物理的な遮断と合わせて、動物が近づきたくない環境を作ることも重要です。
ソーラー充電できる超音波撃退器は、猫やカラスなどが庭に入り込むのを未然に防ぐ効果が期待できます。
動物の動きを感知して超音波を発し、人体には無害で動物だけに不快感を与える仕組みです。
防犯カメラの設置は、動物を捕まえる目的だけでなく、カメラが設置してあることで外敵が寄り付きにくくなる抑止効果もあります。
また、被害の原因となっている動物の特定にも役立つため、対策の精度を上げることができます。
どの動物が何時頃に侵入しているかが把握できるとより的確な対策を講じることができるでしょう。