らんちゅうの値段!数千円と数万円の個体では何がそんなに違うの?

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らんちゅうの値段!数千円と数万円の個体では何がそんなに違うの?

「金魚の王様」とも称されるらんちゅうは、ホームセンターや金魚専門店など、さまざまな場所で販売されています。

ところが、その値段を見ると数百円から数十万円まで驚くほど幅があります。

同じらんちゅうという名がついているのになぜここまで大きな価格差が生まれるのか疑問に思う方は少なくないでしょう。

この価格差には、らんちゅうという品種の文化的な背景や飼育・選別にかかる手間、そして品評会という独自の世界観が深く関わっています。

販売場所によってまず大きな差がある

まず押さえておきたいのが、どこで購入するかによって値段の水準がかなり変わってくるという点です。

ホームセンターや量販店で販売されているらんちゅうは数百円から千円台程度のものが多く、観賞魚として手軽に飼い始めたい方向けです。

一方、らんちゅう専門店が販売するものは同じ観賞用であっても数千円から一万円程度が相場で、品評会向けの個体ともなると数万円から十数万円に達することも珍しくありません。

専門店では、その用途や質に応じて、品評会用・種用・観賞用の三つのランクに分けて大きな価格差がつけられています。

格安個体との最大の違いは「選別」にある

価格差を生み出す最も根本的な要因が、稚魚の段階から行われる選別作業です。

多くのらんちゅう専門店では、稚魚の段階から、ある程度の成長まで選別を重ねて、いわゆる”ハネ魚”ではない、見どころがあるらんちゅうのみを取り扱っています。

この選別作業はブリーダーおよび生産者の手によって、稚魚の時からほぼ毎日、数えきれないほどの回数を行っています。

一方、一匹数百円の格安らんちゅうの場合、この選別作業が行われていないことがほとんどで、ハネ魚が混じっていることもあります。

つまり安価な個体は、本来であれば弾かれるべき形質を持つ魚が含まれている可能性があるのです。

数千匹、数万匹の稚魚の中から品評会用になる仔はほんの一握りで、それが値段をさまざまにする理由でもあります。

選別を重ねれば重ねるほど残る個体数は少なくなり、その希少性と手間のかかり方が価格に反映されます。

血統・系統の有無も価格を左右する

らんちゅうの世界では、どのブリーダーが作出したか、どのような血統を引いているかということが非常に重視されます。

一般的に取り扱われている格安らんちゅうは生産者もわからず、系統もはっきりしていないことが多いのに対し、信頼できる専門店では、ブリーダーおよび生産者がはっきりわかるものだけに限定し、系統に関してもなるべく開示しています。

全国大会で入賞経験のあるブリーダーの作出個体ともなれば、その血統的な価値が価格に上乗せされるのは自然な話です。

品評会の世界では「どこの誰が作った魚か」という情報が、その個体の将来性や信頼性を保証する重要な指標になっています。

品評会の審査基準が価値を決める

らんちゅうの価格を理解するうえで避けて通れないのが、品評会という文化です。

日本らんちゅう協会の規定による品評会の一般的な審査基準は「魚の総体の姿とバランス」「魚は太くたくましいこと」「鱗の並び・色・艶が綺麗であること」「魚の品位が豊かであること」「魚の泳ぎ方が軽やかであること」の五つを軸にしています。

これらの基準は非常に抽象的に見えますが、実際にはこれをさらに細分化した細かい規定が設けられており、審査員向けの冊子は非常に分厚いものになっています。

品評会においては、白い洗面器に泳がせ、上から見る「上見」の状態で「形体」「色彩」「泳ぎ方」などの美しさが総合的に審査・評価されます。

品評会用として選別されたらんちゅうはこうした厳しい審査の目を潜り抜けることが期待される個体であり、それだけの価値があると判断されるため、値段が跳ね上がるわけです。

品評会で一位になれば「大関」として選ばれ、三度一位に選ばれると「横綱」の称号が与えられます。

称号を持つ個体やその直系ともなれば、十万円を超えることも現実のこととなります。

肉瘤・フンタンの発達が価値に直結する

らんちゅうの最大の特徴のひとつが、頭部に発達する肉瘤とフンタン(鼻の上の盛り上がり)です。

品評会などではこの部分をいかに出すかが大きなポイントであり、愛好家・ブリーダー共に盛り上がりを出すために手間暇かけて育て上げます。

らんちゅうの肉瘤やふんたんがどれくらい成長するかは、ほぼ遺伝で決まります。

親魚の遺伝子によって、生まれた時点でポテンシャルが決まっているため、肉瘤が出る遺伝子を持っていなければ、どれだけ手をかけても望む結果は得られません。

つまり、立派な肉瘤を持つ個体には、それだけ優れた血統的背景がある可能性が高く、それが価格に反映されるのです。

観賞用として販売される安価な個体の多くは、こうした肉瘤の発達が乏しいか、あるいはまだ発達途中の幼い魚であることが少なくありません。

尾の形状や泳ぎの質も評価に影響する

らんちゅうの価格に影響を与える要素は頭部だけではありません。

尾の形状も重要な判断基準のひとつです。

裏皿とは尾びれの裏側に見られる鱗を指す言葉で、大きいほど尾をしっかりと支え、泳ぎも良く尾型が崩れません。

また親骨は尾肩とも呼ばれ、尾を支える役割を果たします。

これらの要素がしっかりしている個体ほど、泳いでいる姿が美しく、品評会での評価も上がります。

また、尾芯が太いらんちゅうは、一番最初の選別(生まれて3週間ほど)の時に気付かず選別漏れして大きくなったケースが多く、らんちゅうとしての評価が低くなりがちです。

尾の中央に走る芯が太いと見た目の美しさが損なわれるため、こうした個体は専門的な評価という観点では低く見られる傾向にあります。

泳ぎの美しさという点では、良い泳ぎとは左右の尾を上手に使い前に力強く泳ぐ状態とされており、この泳ぎの善し悪しによっても値段が変わります。

系統の違いも価格帯に関係する

らんちゅうにはいくつかの系統があり、それぞれ評価のポイントが異なります。

力強い体型と尾の形態の均整、泳ぎ方の美しさを重視する「協会系」と肉瘤の発達と色彩の美しさを重んじた「宇野系」の二つが主な系統として知られています。

宇野系は特に肉瘤の発達具合が大きなポイントで、ただ大きいだけでなく、体とのバランスや頭部の配置など細かな点が審査されます。

成長につれて瘤のバランスが崩れてしまう個体も多い中、美しいまま成長を遂げたらんちゅうがより高く評価されます。

系統が明確で、その系統の理想に近い姿を持つ個体ほど、専門家の目には高い価値があると映ります。

観賞目的ならば高価な個体は必須ではない

ここまで価格差の理由を詳しく見てきましたが、だからといってすべての人に高価ならんちゅうが必要というわけではありません。

値段が大きく変わるポイントは品評会用に選別されたらんちゅうであって、個人で鑑賞して飼育する目的であれば、値段の安い観賞用でも十分楽しめます。

色や柄の好みで選んだ観賞用の個体も日々の飼育の中で愛着が湧き、十分な魅力を感じられるものです。

品評会への出品や繁殖・系統維持を目指すのでなければ、まずは観賞用から始め、らんちゅうの世界に慣れ親しんでいくという楽しみ方も十分に価値があります。

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