
金魚は酸素なしで何時間大丈夫?
金魚の酸素不足が起きにくい環境とは?
金魚の酸素不足の症状とは?
金魚が酸素不足になった時の応急処置は?
金魚の移動や一時的避難の際に金魚の酸素不足を起こさない対策とは?
こんな金魚の酸素不足に関する疑問についてご紹介いたします。
金魚は酸素なしで何時間大丈夫?
金魚が酸素を必要とすることはよく知られていますが、酸素が不足する状況下でどの程度の時間生き延びることができるのかについて考えてみましょう。
金魚が酸素を必要とする理由は、呼吸によって体内の代謝に必要な酸素を摂取するためです。
金魚の鰓には、水中に溶存している酸素を取り込むための細かい毛状器官があります。
この器官を通じて酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。
そのため、長時間酸素が不足する環境下に置かれると、最終的に酸欠状態に陥り、死亡してしまうことになります。
しかし金魚は酸素なしで何時間生きられるのかについて、はっきり「〇〇時間くらいです。」とは言い切れません。
その理由として金魚がどのような環境にどのくらいの数入れられているのかによって状況が変わってきてしまうからです。
よってまずは金魚の酸素不足が起きにくい環境というものを知っておく必要があります。
金魚の酸素不足が起きにくい環境とは?
金魚の酸素不足が起きにくい環境としては、水槽内の水の循環が良好な状態、十分な水量、適切な濾過装置の設置、適正な飼育数、適正な水温維持などが挙げられます。
水槽内の水の循環が良好な状態では、水中の酸素がよく循環し、金魚が十分な酸素を取り込むことができます。
また、水槽内の水量が十分であることも重要です。
水の量が少ないと、酸素が不足するとともに水温の変化が起きやすくなります。
水中では水温が上昇すると水中に溶け込める溶存酸素量が少なくなるため、金魚が酸素不足になりやすくなってしまいます。
適切な濾過装置を設置することによって、水中に含まれる有害物質の蓄積を防ぐことができます。
適切な濾過装置は、金魚が排出した廃物を分解するために必要な好気菌を増殖させることができ、水質を維持することができます。
逆に金魚の酸素不足が起きやすい環境としては、水槽内の水の循環不良、過密飼育、水温の上昇、などが挙げられます。
これらの状況下においては、酸素供給が不十分となり、金魚が窒息状態に陥ります。
金魚は比較的デリケートな生き物であり、酸素不足が続くと免疫力が低下して病気にかかりやすくなってしまいます。
金魚が酸素不足に陥った場合、状況に応じて適切な対処を行うことが必要です。
まずは水槽内の水の循環を改善することが重要です。
水槽内の水の循環を改善するために、水中にエアーストーン(ブクブク)などを設置することが有効です。
エアーストーンを設置することによって、水中に微小な気泡を発生させることができ、水中の酸素濃度を増加させることができます。
金魚が酸素不足に陥った場合、水温が高い場合には水温を下げることも必要です。
水温が高いと酸素溶解量が低下してしまうため、水温を下げることによって酸素濃度を上げることができます。
また、水槽内の水の量が少ない場合には、水槽内の水を追加することも必要です。
金魚は酸素を必要とする生き物であるため、水槽内の環境管理には細心の注意を払う必要があります。
金魚が長生きするためには、適切な水質管理を行うことが重要です。
水槽内の水の循環を改善することや適切な濾過装置を設置することで、金魚が快適に生息する環境を提供することができます。
金魚の酸素不足の症状とは?
金魚が酸素不足に陥った場合には、すぐに対処することが重要です。
金魚が酸素不足に陥ったことを早期に発見し、適切な対処を行うことで金魚の命を救うことができます。
金魚が酸素不足に陥ると症状はさまざまな形で現れます。
- 水面近くに集まるようになる
- 呼吸が荒くなる
- 行動の鈍化
- 餌を食べなくなる
- ヒレやエラが赤くなる
などの症状が見られるようになります。
水面近くに集まるようになる
水中の酸素が不足すると水面から酸素を取り込もうとするため、水面近くに集まり、パクパクするようになります。
これを金魚の鼻上げ行動と呼びます。
金魚の鼻上げ行動が見られる時には酸素が不足しているサインとも言えます。
呼吸が荒くなる
金魚が酸素不足に陥ると、鰓が開いた状態で呼吸をするため、呼吸が荒くなることがあります。
行動の鈍化
酸素不足になると金魚は行動が鈍くなります。
泳ぎ方がゆっくりになったり、底に沈んでいたり、ひっくり返ったりすることがあります。
餌を食べなくなる
金魚が酸素不足に陥ると食欲が低下するため、餌を食べなくなることがあります。
ヒレやエラが赤くなる
金魚が酸素不足になると、ヒレやエラが赤くなることがあります。
酸素不足によって体内の代謝が低下し、血流が悪くなるためです。
金魚が酸素不足に陥った時の応急処置
金魚が酸素不足に陥った場合には、以下のような応急処置を行うことが必要です。
水槽の水を交換する
金魚が酸素不足に陥っている場合、水槽の水を交換することが有効です。
新しい水を投入することで、酸素が再び水中に溶け込み、金魚が呼吸することができます。
ただ一度に大量の水換えは水質や水温の急変を起こすため、また違った問題が起きてしまいます。
よってゆっくりと少量ずつ水換えを行うことが大切です。
水中にブクブクを設置する
水中にブクブクを設置することで、水中に微小な気泡を発生させ、酸素を補給することができます。
水温を下げる
水温が高い場合には水温を下げることも有効です。
水温が高いと酸素溶解量が低下してしまうため、水温を下げることによって酸素濃度を上げることができます。
酸素不足の原因を解消する
金魚が酸素不足に陥る原因を解消することも重要です。
水槽内の水の循環を改善し、適切な濾過装置を設置することで、水中に含まれる有害物質の蓄積を防止することができます。
また、水槽のサイズに対して過密飼育になっている時には、水槽のサイズを大きくしたり、別水槽に分けて飼育するなども必要となってきます。
金魚の移動や一時的避難の際に金魚の酸素不足を起こさない対策とは?
ここまでは金魚の水槽飼育時の酸素不足についてご紹介してきました。
ここからは特例として金魚の引っ越しや一時避難の際に酸素不足を起こさないための対策についてご紹介いたします。
しっかりとした飼育設備で飼育していれば金魚の酸素不足はなかなか起きにくいものです。
しかし、金魚の引っ越しや移動の際にそのような環境を維持することは難しくなります。
それではどのような環境を維持すれば金魚の酸素不足を防ぐことができるのでしょうか?
金魚の一時避難の際には
- できるだけ水量を多くする
- 水温が上がりすぎない対策をする
- 日向には置かない
- 発泡スチロールなども利用する
- 電池式エアーポンプなどを利用する
- 短時間で終わらせる
などが挙げられます。
できるだけ水量を多くする
金魚の酸素不足は水中に溶け込んでいる酸素の量の不足で起こるため、できるだけ水量を多くすることで酸素不足を防ぐことができます。
避難の際には小さなガラス瓶などではなく、バケツや大きめのビニール袋に入れるようにしましょう。
水温が上がりすぎない対策をする
水温の上昇は水中の溶存酸素量を減らす上に金魚の代謝を高めて、必要な酸素量を増やしてしまいます。
よってできるだけ水温が高くならないような対策が必要となってきます。
その対策として日向に置かない事や発泡スチロールを利用するのも良い方法です。
電池式エアーポンプを利用する
移動の際に電池式のエアーポンプがあると非常に心強いものです。
電源のない場所でも使用できるため、どこでも金魚の酸素供給を行うことがでいます。
最後に、どうしても金魚の引っ越しや移動は金魚にストレスを与えてしまいますので、できるだけ短時間で終わらせることが大切です。
ちなみにストローでの酸素供給などはほとんど意味がありません。
金魚の酸素不足まとめ
- 金魚が酸素不足に陥った場合の症状は、行動の鈍化、呼吸が荒くなる、餌を食べなくなる、ヒレやエラが赤くなるなど、さまざまな形で現れる。
- 金魚が酸素不足に陥った場合には、速やかに適切な対処を行うことが重要である。
- 金魚が酸素不足に陥った場合には、水槽の水換えを行う、水中にエアーポンプなどを設置する、水温を下げる、酸素不足の原因を解消するなどの応急処置を行うことが必要。
- 金魚が酸素不足に陥らないためには、水槽内の水の循環を良好な状態に保ち、適切な濾過装置を設置し、定期的な水換えを行うことが重要。
- 酸素不足が起きないようにするためには、水槽内の水質管理や飼育環境の改善、定期的な水の交換などの対策が有効。