金魚の繁殖は初心者には難しいのか?
金魚が繁殖しない理由はなに?
繁殖には適した時期があるの?
金魚の繁殖方法を知りたい。
こんな金魚の繁殖についてご紹介いたします。
目次
金魚の繁殖は初心者には難しいのか?
金魚の繁殖は、まだ金魚の飼育経験が浅い初心者には難しいのでしょうか?
メダカやグッピーなどのように繁殖しやすい魚に比べると金魚は繁殖が難しいと思われているかもしれません。
なぜなら、金魚は水槽飼育下では自然に繁殖してくれないことが多いからです。
金魚が産卵しやすい環境を意図的に整えたり、丁寧に産卵後の面倒を見たりする必要があり、なかなか繁殖に至らないのも事実です。
しかし、初心者であってもしっかりとした知識さえあれば、金魚を繁殖させることはさほど難しいことではありません。
繁殖に適した条件さえ整えてあげればちゃんと繁殖期に産卵し、卵を孵化させてかわいい稚魚を育てることも可能です。
それでは、金魚の繁殖が難しいとされる理由を探ってみましょう。
金魚が繁殖しない理由
金魚の繁殖にはステージごとにそれぞれ大事な点があります。
その大事な点をしっかり抑えていないと金魚がなかなか繁殖してくれないという結果になってしまいます。
金魚を繁殖させるにはオスとメスの相性から始まり、産卵、卵の育成、孵化、稚魚の飼育と多くのステージがあります。
順を追って見ていきましょう。
まずはオスとメスの相性やバランスが悪いと繁殖は行われません。
オスとメスはバランスよく飼われているでしょうか?
産卵するメスとその卵に放精(オスが受精のために精子を放出すること)するオスがいなければもちろん繁殖させることはできません。
そのため飼育している金魚にオスとメスがいることを確認しなければなりません。
金魚は産まれてから1~2年は外見から性別を見分けることが難しく、3年以上立ってようやくオスに「追星」と呼ばれる繁殖の準備ができているサインを見ることができます。
金魚の肛門の形でも雄雌の判断は可能ですが、泳いでる金魚たちにじっとしててもらうわけにもいきませんし、初心者にとって微妙な見分けは難しいかもしれません。
金魚を繁殖させるにはオスとメスがバランスよく飼育されていることと繁殖可能な年齢に達していることを確認しておく必要があります。
メダカ飼育ではまとめて数十匹飼育することもあるのでわざわざオスメスを確認しなくても勝手に繁殖を行ってくれることが多いものです。
しかし水槽などで2、3匹の金魚を飼育するようなスタイルでは偶然相性の良いオスとメスが揃うことは難しいかもしれません。
金魚の繁殖を考える時には購入時に計画的にオスとメスを購入する必要があります。
「え?メスが一匹もいない!」「全部オス?」笑い話にはなっても繁殖は期待できません。
水温が低く繁殖に適した水温ではない。
金魚の繁殖には適正水温があるため水温が低いとどうしても繁殖は望めません。
金魚が産卵を始める水温は20℃前後です。
自然界の季節でいえば春から夏にかけて水温があがる時期に繁殖行動を始めます。
水温は高すぎても繁殖には向いていません。
そのため自然の中では春と秋が金魚の繁殖シーズンになります。
室内水槽などでは偶然に適温で産卵したというケースもあるでしょうが、意識的に水温調整をしなければ産卵や繁殖も難しいものです。
産卵のための栄養が足りていない。
メスが産卵するためには十分な栄養と体力が必要です。
大量にエサを与えれば良いというわけではなく、適切な量と繁殖に適した栄養価の高い餌を与えることが大切です。
極端な話ですが、フラフラな状態や病気など体調不良ではメスも産卵どころではありません。
日照時間が不足している
日照時間は金魚の産卵にも大きな影響を与えます。
金魚は水温の上昇とともに日照時間の長さで季節の変化を感じ取っていると言われています。
よって水温が繁殖に適した温度でも明かりが差し込まない暗い場所で金魚を飼育してしまったら繁殖は望めません。
自然光の当たる場所で飼育するほか、蛍光灯などで人工的に管理する必要があります。
人の手による管理の場合は、不規則になると金魚の生活リズムが崩れてしまい、産卵にもよくないので注意が必要です。
規則正しい時間で1日に12時間以上点灯してあげるようにしましょう。
産卵後の世話に手間がかかる
産卵後の世話に手間がかかることが、金魚の繁殖が難しいとされる一番のポイントかもしれません。
条件さえ整えてあげれば、メスが卵を産むこと自体は特別なことではありません。
メスが卵を産みつける場所として産卵床(さんらんしょう)を設置します。
主に金魚藻と呼ばれる水草です。
産卵後、この水草に卵が付着して、オスが放精することで受精します。
その後、卵が付着した水草を別水槽に移すなどして、親の金魚から隔離して育てる必要があります。
なぜなら、卵が金魚に食べられてしまうからです。
食べた金魚にとっても体調を崩してしまう原因になります。
飼育水は、オスの放精による濁りますので水換えも必要になります。
金魚の繁殖期と年齢の関係
金魚の年齢的な繁殖期はオスが2歳、メスは3歳から繁殖ができるようになります。
オスが繁殖可能な年齢になると、繁殖期に「追星」と呼ばれる白い小さな突起が現れます。
注意したいのは、金魚の病気で「白点病」というものがあります。
症状として白い点が現れるのが特徴です。
出る場所の違いで、追星との識別が可能です。
繁殖できる年齢に達したオスとメスをバランスよく飼育して、水温など繁殖期の環境を整えることで上手に繁殖させましょう。
繁殖の最盛期には一度で約500個、1週間から3週間おきに繰り返し産卵します。
金魚の上手な繁殖方法
金魚の上手な繁殖は産卵後のケアがポイントになります。
- 産卵後オスが放精すると飼育水が白く濁るので水質が悪化しないように適切な水換えをおこなう。
- 卵が食べられてしまわないように受精が済んだ卵や産卵床を金魚から離して育てる。
- 酸欠によって卵が腐るのを防止するためにエアレーション(水中に空気を送り込む)をする。
- 水温管理をして適温(20℃~25℃)を保つ
金魚の繁殖方法まとめ
今回は、金魚の繁殖が難しい理由に焦点を当ててお話させていただきました。
適切な飼育環境を整えてあげれば、産卵は特別難しいことではありません。
ポイントは産卵後の卵の世話の仕方にあります。
食べられる、腐ってしまう、稚魚になってからの餓死など、卵から育ててあげる意識で気を配る必要があります。
これが、まだ飼育の知識が浅い初心者にとって「金魚の繁殖は難しい」と感じる理由ではないでしょうか。